企業研修や人材育成に使える助成金制度(令和7年度/2025年度版) の概要を紹介します。
「研修にかかる費用が気になる」「人材育成をしたいけれど予算に限度がある」そんなお悩みを抱えている人事研修担当の方も多いのではないでしょうか。そこで活用を検討したいのが、国や地方自治体が提供する各種助成金制度です。ぜひ参考になさってください。

目次|企業研修や人材育成に使える助成金制度(令和7年度/2025年度版)
- 人材育成に関する助成金とは
 - 助成金の申請手続きについて
 - 人材開発支援助成金(厚生労働省)
 - キャリアアップ助成金(厚生労働省)
 - スキルアップ助成金(公益財団法人東京しごと財団)
 - 助成金を利用する注意点
 - まとめ・お役立ち資料
 
1.人材育成に関する助成金とは
人材育成に関する助成金は、あらかじめ育成計画を策定し、管轄の窓口へ必要書類を提出し、計画に沿った取組みを実施し、支給申請を行うことで受給できるお金です。企業が従業員の育成を目的として実施する研修や教育の取り組みに対しては、一定の条件を満たすことで国や地方自治体の助成制度を利用できる場合があります。
たとえば、新入社員向けのITスキル研修の実施、既存社員のリスキリング、また非正規雇用者の正社員登用を目的とした教育など、幅広い人材育成の場面で利用が期待されます。
こうした人材育成は、従業員一人ひとりのキャリア形成やスキルアップを促進するだけでなく、従業員の定着や安定的な企業運営にも寄与します。
2. 助成金の申請手続きについて
助成金の申請は、原則、企業が主体となって行う必要があります。申請手続きに不慣れな場合には、顧問の社会保険労務士や専門家への相談も一つの選択肢です。助成金や補助金の対象可否や手続きの詳細については、国や地方自治体などの機関が公開している最新の手続き要綱やガイドラインを必ずご確認のうえ、ご対応ください。
1)大まかな申請の流れ
以下は、大まかな申請の流れです。助成金の申請方法は制度によって異なります。
① 研修プログラムを企画する
研修対象者、カリキュラムの内容、実施日程などの詳細を企画します。
② 助成金の詳細情報を確認する
管轄の窓口に、助成金の詳細や申請要件を満たしているかを確認します。
③ 実施計画書を作成し提出する
必要な書類を整え、定められた期日までに、管轄の窓口へ提出します。
④ 研修を実施する
実施計画書に基づき研修を実施します。
⑤ 助成金の支給申請書を提出する
必要な書類を整え、定められた期日までに、管轄の窓口へ提出し、支給申請します。
2)研修や人材育成に使える助成金の例
2025年現在、研修や人材育成の際に活用できる助成金の一例です。
| 人材開発支援助成金 | 厚生労働省 | 人材育成に関する訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成 | 
| キャリアアップ助成金 | 厚生労働省 | 非正規労働者の正社員化や、処遇改善の取り組みに対して助成 | 
| スキルアップ助成金 | 東京しごと財団 | 都内の中小企業等が従業員に対して行う研修の経費の一部を助成 | 
3.人材開発支援助成金(厚生労働省)
1)人材開発支援助成金の概要
人材開発支援助成金は、厚生労働省が管轄する助成金で、7つのコースで構成されています。
事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。2025年度は、助成額・助成率のアップや申請手続きの簡素化など制度の見直しが行われ、より活用しやすくなりました。
① 人材育成支援コース
職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、非正規雇用労働者を対象とした正社員化を目指す訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成
② 教育訓練休暇等付与コース
有給教育訓練等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に助成
③ 人への投資促進コース
デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成
④ 事業展開等リスキリング支援コース
新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成
⑤ 建設労働者認定訓練コース
認定職業訓練または指導員訓練のうち建設関連の訓練を実施した場合の訓練経費の一部や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた場合の訓練期間中の賃金の一部を助成
⑥ 建設労働者技能実習コース
雇用する建設労働者に技能向上のための実習を有給で受講させた場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成
⑦ 障害者職業能力開発コース
障害者の職業に必要な能力を開発、向上させるため、一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営を行う場合に、その費用を一部助成
2)助成額・助成率

()内は中小企業以外の助成額・助成率
3)参考ページ
4.キャリアアップ助成金(厚生労働省)
1)キャリアアップ助成金の概要
キャリアアップ助成金は、厚生労働省が管轄する助成金で、7つのコースで構成されています。
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
① 正社員化コース
有期雇用労働者等を正社員化した場合に助成
② 障害者正社員化コース
障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合に助成
③ 賃金規定等改定コース
有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し3%以上増額した場合に助成
④ 賃金規定等共通化コースコース
有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に助成
⑤ 賞与・退職金制度導入コース
有期雇用労働者等を対象に賞与または退職金制度を導入し支給または積立てを実施した場合に助成
⑥ 社会保険適用時処遇改善コース
有期雇用労働者等を新たに社会保険に適用させるとともに、収入を増加(手当支給・賃上げ・労働時間延長)または、週所定労働時間を延長し、社会保険に適用した場合に助成
⑦ 短時間労働者労働時間延長支援コース
有期雇用労働者等が新たに社会保険の適用となる際に、労働時間の延長等により労働者の収入を増加した場合に助成
2)助成額
キャリアアップ助成金の「正社員化コース」の助成額は以下の通りです。その他のコースの助成額は「キャリアアップ助成金のご 案 内(令和7年度版)」からご確認いただけます。

3)参考ページ
5.スキルアップ助成金(公益財団法人東京しごと財団)
1)スキルアップ助成金の概要
スキルアップ助成金は、東京しごと財団が管轄する助成金で、4種の助成金で構成されています。従業員のスキルアップのための研修を実施する都内企業等に対し、助成金を支給します。
① 事業内スキルアップ助成金
職務のスキルアップのため、自社で企画した研修が助成対象
② 事業外スキルアップ助成金
職務のスキルアップのため、教育機関の公開研修を利用して実施する研修が助成対象
③ DXリスキリング助成金
自社のDXのために実施する研修が助成対象
④ 育業中スキルアップ助成金
従業員が希望し育業中に受講するスキルアップのための研修が助成対象
2)助成額

3)参考ページ
6.研修に関する助成金を利用する注意点
研修に関する助成金を利用する際には、手続きの流れや、対象となる研修・受講対象者を事前に確認し、不明な点があれば顧問社労士に相談してください。
1)手続きの流れを事前に把握する
助成金を申請する際は、あらかじめ手続きの流れを把握しておくことが重要です。
人材育成に関連する助成金にはいくつか種類がありますが、それぞれで申請方法や必要な準備が異なります。申請手続きが複雑な助成金もあるため、事前に必要書類やスケジュールをしっかり確認しておくことをおすすめします。
2)研修の対象者の要件を確認する
助成金の活用を検討する際には、対象となる研修やの受講する従業員が要件を満たしているかを必ず確認しましょう。
多くの助成金では、特定の条件が定められています。こうした要件を見落としてしまうと、「利用できると思っていた助成金が実際には対象外だった」という事態になりかねません。慎重に確認しておきましょう。
7.まとめ・お役立ち資料
本記事では、人材育成に活用できる助成金の種類や、申請時の注意点についてご紹介しました。
助成金にはさまざまな種類があり、それぞれ申請方法や対象要件が少しずつ異なります。中には、研修内容や受給条件に細かなルールが設けられていたり、事前に申請が必要なケースもあります。
スムーズに申請を進めるためにも、スケジュールには余裕を持って取り組むことが大切です。迷うことがあれば、顧問の社労士など専門家に相談してみるのも安心です。
ぜひ、お役立ち情報「研修に活用できる助成金|令和7(2025)年度版 人材開発支援助成金・人材育成訓練」資料や各種助成金を上手に活用して、人材育成をさらに充実させていきましょう。
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