【コラム】働かないおじさん問題 ~中高年の危機「ミッドライフクライシス」と組織の処方箋~


目次
1.「働かないおじさん」は本当に「働かない」のか
2.現場では何が起きているか?
3.心理的要因「ミッドライフクライシス」
4.日本企業は何をするべきか
5.対応事例
6.研修で出来ること
7.まとめ:「おじさん」を“再点火”する組織デザインへ

昨今、若いリーダー層の悩みとして「年上の部下のモチベーションが低く、どう指導していいかわからない」とか、人事担当者の方から「定年間際の人材が給与に見合う働きを見せてくれず、困っている」といった声を聴くことが増えています。日本企業においては、若手・壮年期時代には十分あったやる気が徐々に落ちてきて、定年が近づくにつれて新しいことにも挑戦せず、日々を安穏と過ごそうとする「働かないおじさん問題」が企業の典型的な問題の一つとして認識されています。

この「働かないおじさん」という言葉は、個人の怠慢に原因を帰すレッテルになりがちですが、組織の現場で見えてくるのは、個人の意欲と能力だけでは説明しきれない、複数の要因の絡み合いが存在しているのです。そもそも中高年に対しては、評価者側の「働くモチベーションが低い」という思い込みがあり、それに日本企業の構造上特性がモチベーションを実際に下げる結果を生んでいます。さらに中高年は心理学的にモチベーションが下がりやすい構造上の特性があり、問題をさらに複雑にし、解決を難しくしていると考えられます。

本稿では、データに基づいて「何が起きているのか」を整理し、ミッドライフクライシスの知見、日本企業の仕組みの課題、そして有効に機能している対応策・研修の処方箋をご提案します。

素朴な実感として、「おじさんは働かない」ことに賛同する方は多くいらっしゃるように思います。しかしここには、いくつかの思い込みと、制度による落とし穴があります。

1) 「給与分の働きをしていない」という見え方

これは日本がそもそも終身雇用を前提とした年功序列に基づく給与体系を導入しており、年齢とともに右肩上がりに給与が増える仕組みをとっていることから生じます。企業としてはそのような体系をとる以上、若い間は丁稚奉公のように安い給与で働き、年をとってから回収する仕組みにより、一生の中で収支のバランスをとっています。「おじさん」のタイミングだけ抜き出してみれば、給与が働きに対して割高に見えるのは、当たり前です。

2) 「新しいことをやらない」という見え方

これは指摘通りの側面もありますが、一方で新しいことをやる機会を与えられていないという側面もあります。能力開発という観点では、職場外訓練(OFF-JT)の年齢別受講率は「20~29歳が42.6%、30~39歳が35.1%、40~49歳が33.3%、50~59歳が30.9%」と加齢とともに低下します。学ぶ機会の減少は、働きぶりの見え方に直結します(2022年度「能力開発基本調査」集約記事より)JIL(労働政策研究・研修機構)3。学ぶ機会を与えられないのだから、新しいことができないという側面がありそうです。また、新しいことに挑戦する場合は一時的にパフォーマンスは落ちますが、上記のように高い給与水準ではそれが許容されないという側面もありそうです。

3) 定年が近いので「逃げ切ろうとしている」という見え方

「昇進の可能性がない中でやる気が出ない」だろうという、制度に対するものの見え方の問題と言えそうです。まず、役職定年制は民間企業の16.7%に残存し、年齢は55歳が最頻で、運用継続の意向は9割超です。役職定年制が少なくない企業にあり、モチベーション低下の要因の一部ではありそうですが、だからと言って全員がモチベーションを下げるわけではありません。しかし、「役職定年をすぎた従業員にはやる気がない」という先入観からやりがいのある仕事が割り振られず、結果としてパフォーマンスが出ないという側面があります。心理学的な「確証バイアス」が生じると言えるでしょう。このバイアスに基づいて、そもそもチャレンジを含めた目標設定をしない・フィードバックをおざなりにするなどのケースが見られます。また、やる気と能力のある「おじさん」は管理職になっているので、必然的にそれ以外の「おじさん」だけをみて働かないとい判断されているという観点があります。同様に若手社員からエース社員を除いて評価した場合に、同様にモチベーションの低い社員が多い印象を持つのではないでしょうか?

このように不当におとしめられている面がありますが、一方で実際に十分なモチベーションがなく、能力が活かされていないのも事実です。例えば、以下のグラフ「仕事の裁量満足」では、40代が47.1%で最も低く、10代の67.0%、60代の59.9%と比べて谷を形成します。裁量感は、若年→ミドルで徐々に低下し、シニアで回復する“U字”のグラフを描いており、中年期の手応えの薄さを反映している可能性があります。

パーソル「はたらく定点調査」年代別の裁量満足パーソルホールディングス 
グラフ:仕事の裁量満足(10代・40代・60代の比較)

また次の「エンゲージメント調査」のグラフでは、まず「年代別」にみると20代と60代が高く、50代は40代と同じ水準で低いので、一概におじさん問題とは関係なさそうに見えます。しかし次の「役職・雇用形態別」グラフでは部課長以上のエンゲージメントが高いことから、役職についていない高年齢層のモチベーションが低いということが言えそうです。

出典: PR TIMES【第3回】 全国1万人エンゲージメント調査結果レポート(株式会社アジャイルHR・株式会社インテージの調査)「年代別のワークエンゲージメントと組織コミットメントの全国平均値」

以上から、部分的に偏見によってやる気がないと断罪される一方で、やる気が出にくい構造を日本の企業が持っているとは言えそうです。皆様の会社でも構造上の仕組みを思い浮かべてみると、思い当たる節が1つや2つは見つかるのではないでしょうか。

中年期の“落ち込み”は心理学的にも確認されています。大規模調査の実証で、主観的幸福感は「若年と高齢で高く、中年で落ち込む」U字型を描くことが繰り返し示されており、日本のデータでも「35~49歳で主観的幸福感が下がる」傾向が確認されています。この谷を一般的に「ミッドライフクライシス」と呼び、人生の折り返し地点を過ぎた中年期(40〜60代)に自身の人生やキャリア、アイデンティティに対して葛藤や不安を感じる状態を指します。

具体的には、
・加齢による身体的な不調やホルモンバランスの変化によって老いを感じる
・定年が見えはじめ、自分の人生の可能性に限界が見える
・家族の関係性の変化(子育ての終了など)により自分の役割の減少を感じる
など、複合的な要因が重なり「これまで培ってきた自身の価値観や役割が年齢と共に揺らぐことで葛藤が生じる」ことが多いと言われています。

もちろん個人のレベルで、こうした状況を甘んじて受けましょう、と言いたいわけではありません。加齢を重ねても常にモチベーションが高く前向きな方が多くいることも事実です。個人的な意味で谷を克服するには、人生の再評価や新しい趣味、運動などを通じて自己実現を目指し、前向きに生き方を見つめ直すことが重要です。

その一方で、企業ができることも多くあります。次は「働かないおじさん」の具体的な転換策を考えてみましょう。

ここまでの話を整理すると、❶「おじさんは働かない」という評価側の思い込み、❷モチベーション低下を招きやすい制度や組織構造上の問題、さらには❸人生における心理的な谷「ミッドライフクライシス」、これらが重なりあうことによって、おじさんは「無気力・防衛的姿勢・挑戦回避をしている=働いていない」ように見える状況に陥っている、と言えます。

このような状況に対して、「やる気を出せ」、「給与に見合う働きをしないのはだらしない」、「地位に甘んじている」などと批判したところで、生産的な改善にはつながりにくいでしょう。「働かないおじさん問題」は、おじさん自身の個人的問題というよりも、企業組織そのものが持つ構造的なひずみが存在し、そこに心理的状況が入り込むことで問題が複雑化している状態です。

したがって、改善策の要諦は「叱咤」ではなく、企業が「裁量・意味づけ・越境的経験・学習の再起動」を伴った支援をすることであり、具体的には下表のような内容が考えられます。

このような「組織の構造的なひずみに対するアプローチ」に関連して、経産省「未来人材ビジョン」での指摘事項が想起されます。日本型雇用の強み(長期雇用による能力蓄積)を認めつつ、成長鈍化下での限界として、
・低い従業員エンゲージメント、遅い昇進、転職が賃上げに結びつきにくい非流動的市場
・企業の人材投資不足
・経営層の同質性、グローバル経験不足、女性管理職比率の低さ  
などを列挙しています。さらに、技術革新に対して、「従業員スキルとのギャップ」を認める企業が多数であるのに、人への投資も個人の学びも弱い、という現実も指摘しています。

これらは理想像として「あるべき姿」を並べたものであり、現場で生じている「働かないおじさん」とは一見関係のない問題に見えるのかもしれません。しかし、働かないおじさんに対する構造的アプローチは、「あるべき姿」に内包される組織力強化策に通じるのではないでしょうか。

必要な対応策は根本的・抜本的なものであり、すぐに解決することは難しいかもしれません。それでも現場においては少しでも個別の人材のパフォーマンスを改善する打ち手が必要とされます。人事組織上の対応策は万全ではなく、どれも「唯一の正解」ではありません。こういう成功例もあるという視点で、自社の前提に合わせて検討いただければと思い、いくつか事例をご紹介しておきます。

1) 1on1の定着化とマネジャー育成

企業の7割近くが1on1を導入し、とくに3,000人以上企業での導入率は75.7%。コロナ期以降の導入加速も観測され、継続的な対話基盤が裁量感・成長感を支えています。代表事例としてヤフーは「部下の才能と情熱を解き放つ」を掲げ、コーチング等スキルを体系化。社員約9割が隔週・30分の1on1を実施する運用にまで到達しています。

2) 越境学習(社外での実践経験)

所属を離れた環境での業務体験が、認知的不協和—良質な葛藤—行動変容を生み、イノベーションに資するスキル・コンピテンシーを育てます。中外製薬・ハウス食品・パナソニック・カゴメ・パルコ等の大手が事例を蓄積し、帰任後の組織変革や協業創出にも波及しています。

3) リスキリングのボトルネック把握

性年代別では40~50代女性で経験・習慣とも顕著に低下。対象層の学び直し障壁(時間・ケア責任・心理的ハードル)を直視した支援設計(就業時間内学習、伴走、実務適用機会の確保)が不可欠です。

4) キャリアと配置の再設計

人手不足の構造下、女性・高齢者・外国人材の活躍を進めるマクロ対応と、介護・小売など人手が集まらない分野のミクロ対応を同時に進める必要があります。マッチング機能や希望条件の変化を踏まえ、人材移動と賃金・学習機会の連動を高めるのが肝要です。

私からはこれに加えて次世代に対する教育やノウハウの形式知化をミッションとして掲げることを推奨したいと思います。自分自身の社内評価や出世の可能性に限界が見える中で、自分自身ではなく他者への貢献によって自己有用感を得ることは、内発的動機付けとして優れています。

一方、多くの企業では、「ナレッジ共有」や「若手育成」は定性的にお題目として評価基準に入れられていても、実際に具体的な目標やアクションプランに落とし込んで高年齢層の社員に役割として与えられているケースは多くありません。

私が実際に支援した会社では、若手に対する教育体系を構築するプロジェクトに複数のベテラン社員をアサインし、実際にマニュアルや写真付きの手順書を作成してもらっているケースがあり、むしろ日常業務に対するモチベーションが改善した、というお話を聞きました。

1)ミドル層のキャリア・リデザイン(心理×構造の統合介入)

中年期のU字(幸福・裁量・エンゲージメント)を見える化し、意味づけを再構築するキャリア介入。具体的には、生成性(次世代貢献)を軸に、社内プロジェクト・社外越境・後進育成を組み合わせた「役割の再定義」を設計します。学び直しは就業内に組み込み、実務適用で“学習の手触り”を担保します。

2)マネジャー向け1on1実践塾(裁量・成長・関係性の回復)

「目的—プロセス—内省」を回す1on1の型化と、コーチング/フィードバック/期待水準の合意形成スキルを反復演習。四半期KPIと個人の学習目標をリンクさせ、「やって終わり」から「学んで成果化」への転換を支援します。特に年上の部下に対するコミュニケーションの取り方や、考え方を共有することで若手リーダー層や中間管理職の心理的負担を軽減することも目指します。

3)リスキリング(学び—成果のループ設計)

対象層の障壁に合わせ、勤務内学習やスモールステップ課題、ペア学習、評価・処遇と連動した「学びの成果可視化」を設計。デジタル基礎—業務応用—現場POCの三層で“使えるスキル”に落とし込みます。

実は生成AIは、日本語の自然文で処理できる領域が多いため、ITスキルに苦手意識を持つ中高年層でも、一回やり方を覚えてしまえば活用しやすいという特徴があります。AI研修などで生産性が大きく変わる場合がありますので、ぜひ検討することをお勧めします。

「おじさん」層は、知識と人脈、現場知がもっとも蓄積した組織の「要」です。データが示すのは、個人のやる気不足ではなく、❶評価する側の偏見、❷構造上の問題、❸心理的谷が重なって“働かないように見える”という現実です。

企業としては、「日本型雇用の構造的課題」に合わせた組織体制の不備を直視しつつ、制度の見直し、期待役割の再定義と評価の適正化、学習機会の提供をセットとして「おじさんを“再点火”する」組織へと進化させていきましょう。

ヒューマンエナジーは、学習理論に基づく実践的な研修プログラムを起点に、企業ごとの組織課題に合わせた実装と定着までを支援いたします。まずはディスカッションから始め、御社の組織課題を明確化するところからご一緒できればと思います。お客様の価値観に合致した効果的な人材育成にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

また、上記内容の無料セミナーを2025年9月18日(木)15時~実施致しますので、是非ご視聴ください。


株式会社ヒューマンエナジー 代表取締役 神山 晃男  
様々な企業での実務的な経営経験も活かし、経営改善・組織改革から現場の業務効率化まで幅広く、お客様の目的にあわせた研修プログラムをご提供します。

株式会社こころみ 代表取締役
株式会社ウェブリポ 代表取締役

<外部役員・他>
・認定NPO法人カタリバ 監事
・医療AI推進機構株式会社 監査役
・株式会社テレノイドケア 顧問
・流通経済大学 非常勤講師
・元 株式会社イノダコーヒ 取締役
・元 イングアーク1st株式会社 監査役
・元 株式会社コメダ 取締役

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【コラム】 企業研修や人材育成に使える助成金制度(令和7年度/2025年度版)

企業研修や人材育成に使える助成金制度(令和7年度/2025年度版) の概要を紹介します。

「研修にかかる費用が気になる」「人材育成をしたいけれど予算に限度がある」そんなお悩みを抱えている人事研修担当の方も多いのではないでしょうか。そこで活用を検討したいのが、国や地方自治体が提供する各種助成金制度です。ぜひ参考になさってください。

企業研修や人材育成に使える助成金制度(令和7年度/2025年度版)

目次|企業研修や人材育成に使える助成金制度(令和7年度/2025年度版)

【お役立ち資料ダウンロード】研修に活用できる助成金令和7(2025)年度版人材開発支援助成金(人材育成訓練)

【お役立ち資料】研修に活用できる助成金令和7(2025)年度版人材開発支援助成金(人材育成訓練).pdf

人材育成に関する助成金は、あらかじめ育成計画を策定し、管轄の窓口へ必要書類を提出し、計画に沿った取組みを実施し、支給申請を行うことで受給できるお金です。企業が従業員の育成を目的として実施する研修や教育の取り組みに対しては、一定の条件を満たすことで国や地方自治体の助成制度を利用できる場合があります。
たとえば、新入社員向けのITスキル研修の実施、既存社員のリスキリング、また非正規雇用者の正社員登用を目的とした教育など、幅広い人材育成の場面で利用が期待されます。
こうした人材育成は、従業員一人ひとりのキャリア形成やスキルアップを促進するだけでなく、従業員の定着や安定的な企業運営にも寄与します。

助成金の申請は、原則、企業が主体となって行う必要があります。申請手続きに不慣れな場合には、顧問の社会保険労務士や専門家への相談も一つの選択肢です。助成金や補助金の対象可否や手続きの詳細については、国や地方自治体などの機関が公開している最新の手続き要綱やガイドラインを必ずご確認のうえ、ご対応ください。

1)大まかな申請の流れ

以下は、大まかな申請の流れです。助成金の申請方法は制度によって異なります。

① 研修プログラムを企画する

研修対象者、カリキュラムの内容、実施日程などの詳細を企画します。

② 助成金の詳細情報を確認する

管轄の窓口に、助成金の詳細や申請要件を満たしているかを確認します。

③ 実施計画書を作成し提出する

必要な書類を整え、定められた期日までに、管轄の窓口へ提出します。

④ 研修を実施する

実施計画書に基づき研修を実施します。

⑤ 助成金の支給申請書を提出する

必要な書類を整え、定められた期日までに、管轄の窓口へ提出し、支給申請します。

2)研修や人材育成に使える助成金の例

2025年現在、研修や人材育成の際に活用できる助成金の一例です。

人材開発支援助成金厚生労働省人材育成に関する訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成
キャリアアップ助成金厚生労働省非正規労働者の正社員化や、処遇改善の取り組みに対して助成
スキルアップ助成金東京しごと財団都内の中小企業等が従業員に対して行う研修の経費の一部を助成

【お役立ち資料ダウンロード】研修に活用できる助成金令和7(2025)年度版人材開発支援助成金(人材育成訓練)

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1)人材開発支援助成金の概要

人材開発支援助成金は、厚生労働省が管轄する助成金で、7つのコースで構成されています。
事業主等が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。2025年度は、助成額・助成率のアップや申請手続きの簡素化など制度の見直しが行われ、より活用しやすくなりました。

① 人材育成支援コース

職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、非正規雇用労働者を対象とした正社員化を目指す訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成

② 教育訓練休暇等付与コース

有給教育訓練等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に助成

③ 人への投資促進コース

デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成

④ 事業展開等リスキリング支援コース

新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成

⑤ 建設労働者認定訓練コース

認定職業訓練または指導員訓練のうち建設関連の訓練を実施した場合の訓練経費の一部や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた場合の訓練期間中の賃金の一部を助成

⑥ 建設労働者技能実習コース

雇用する建設労働者に技能向上のための実習を有給で受講させた場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成

⑦ 障害者職業能力開発コース

障害者の職業に必要な能力を開発、向上させるため、一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営を行う場合に、その費用を一部助成

2)助成額・助成率

人材開発支援助成金の助成額・助成率2025厚生労働省

()内は中小企業以外の助成額・助成率

3)参考ページ

1)キャリアアップ助成金の概要

キャリアアップ助成金は、厚生労働省が管轄する助成金で、7つのコースで構成されています。
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。

① 正社員化コース

有期雇用労働者等を正社員化した場合に助成

② 障害者正社員化コース

障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合に助成

③ 賃金規定等改定コース

有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し3%以上増額した場合に助成

④ 賃金規定等共通化コースコース

有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に助成

⑤ 賞与・退職金制度導入コース

有期雇用労働者等を対象に賞与または退職金制度を導入し支給または積立てを実施した場合に助成

⑥ 社会保険適用時処遇改善コース

有期雇用労働者等を新たに社会保険に適用させるとともに、収入を増加(手当支給・賃上げ・労働時間延長)または、週所定労働時間を延長し、社会保険に適用した場合に助成

⑦ 短時間労働者労働時間延長支援コース

有期雇用労働者等が新たに社会保険の適用となる際に、労働時間の延長等により労働者の収入を増加した場合に助成

2)助成額

キャリアアップ助成金の「正社員化コース」の助成額は以下の通りです。その他のコースの助成額は「キャリアアップ助成金のご 案 内(令和7年度版)」からご確認いただけます。

キャリアアップ助成金正社員化コース2025助成額

3)参考ページ

1)スキルアップ助成金の概要

スキルアップ助成金は、東京しごと財団が管轄する助成金で、4種の助成金で構成されています。従業員のスキルアップのための研修を実施する都内企業等に対し、助成金を支給します。

① 事業内スキルアップ助成金

職務のスキルアップのため、自社で企画した研修が助成対象

② 事業外スキルアップ助成金

職務のスキルアップのため、教育機関の公開研修を利用して実施する研修が助成対象

③ DXリスキリング助成金

自社のDXのために実施する研修が助成対象

④ 育業中スキルアップ助成金

従業員が希望し育業中に受講するスキルアップのための研修が助成対象

2)助成額

スキルアップ助成金の助成額2025公益財団法人東京しごと財団

3)参考ページ

研修に関する助成金を利用する際には、手続きの流れや、対象となる研修・受講対象者を事前に確認し、不明な点があれば顧問社労士に相談してください。

1)手続きの流れを事前に把握する

助成金を申請する際は、あらかじめ手続きの流れを把握しておくことが重要です。
人材育成に関連する助成金にはいくつか種類がありますが、それぞれで申請方法や必要な準備が異なります。申請手続きが複雑な助成金もあるため、事前に必要書類やスケジュールをしっかり確認しておくことをおすすめします。

2)研修の対象者の要件を確認する

助成金の活用を検討する際には、対象となる研修やの受講する従業員が要件を満たしているかを必ず確認しましょう。
多くの助成金では、特定の条件が定められています。こうした要件を見落としてしまうと、「利用できると思っていた助成金が実際には対象外だった」という事態になりかねません。慎重に確認しておきましょう。

本記事では、人材育成に活用できる助成金の種類や、申請時の注意点についてご紹介しました。
助成金にはさまざまな種類があり、それぞれ申請方法や対象要件が少しずつ異なります。中には、研修内容や受給条件に細かなルールが設けられていたり、事前に申請が必要なケースもあります。
スムーズに申請を進めるためにも、スケジュールには余裕を持って取り組むことが大切です。迷うことがあれば、顧問の社労士など専門家に相談してみるのも安心です。
ぜひ、お役立ち情報「研修に活用できる助成金|令和7(2025)年度版 人材開発支援助成金・人材育成訓練」資料や各種助成金を上手に活用して、人材育成をさらに充実させていきましょう。

【お役立ち資料ダウンロード】研修に活用できる助成金令和7(2025)年度版人材開発支援助成金(人材育成訓練)

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自社の課題に合わせた研修のカスタマイズ研修

ヒューマンエナジーの「カスタマイズ研修」では、お客様が抱えている課題をお聞きし、目的や組織や人物像を理解して解決案を提示し、個別に研修を組み立てます。カスタマイズ研修には4つの特徴があります。「ビジョン反映型」「社会の変化に対応」「ワークショップ中心」「ゴールまで支援」の4つです。特に 「ゴールまで支援」 の観点から、研修後のフォローアップ施策まで一貫してサポートします。受講者が学んだことを 実務に活かし、確実に行動変容につなげるために、研修設計の段階からフォロー体制を組み込むことを重視しています。具体的には、研修後の事後課題、フォローアップ研修の設計を含めたフォロー施策を提案し、受講者が学びを継続できる環境を整えます。また、単なる知識の習得で終わらせず、「実践し、定着させる」ことを目的としたアクションプランを策定し、職場で活用できる仕組みを構築します。

研修効果を最大化

研修効果を最大化するためには、受講者本人だけでなく、上司や人事、経営層の関与も欠かせません。そのため、組織全体で研修の成果を支える仕組みとして、上司との1on1の導入や、研修の目的を経営層と共有する取り組みもご提案しています。研修の「やりっぱなし」を防ぎ、ゴールまで伴走することで、確実な成果へとつなげます。
具体的な研修内容や実施タイミングはお客様のニーズに応じて柔軟に対応いたします。企業の個別の課題をお聞きし、最適な研修やソリューションをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

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お客さまの目指す組織・求める人材像を把握した上で、経営ビジョンに沿った研修を実施します。

お客さまのお悩みを伺いながら、VUCA時代に激化する市場競争に対応できる人材と組織を開発します。

受講生同士のコミュニケーションを大切にしながら、互いの考えや気づきを共有することで相互理解を促します。

研修後も伴走し、目指す組織・求める人材像に向き合い続けます。


今回ご紹介した研修の振り返り・評価のサポートや、お客様の課題やご要望に応じて年単位・半年単位での組織変革・人材改革も支援いたします。
企業研修のことならヒューマンエナジーにお気軽にお問い合わせください。

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愛知県名古屋市西区名駅1丁目1番17号名駅ダイヤメイテツビル11階

052-541-5650
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【コラム】 「ワンピース」ルフィに学ぶサーバント・リーダーシップ  ~VUCA時代のリーダーの教科書~

目次

先日、30~40代のチームリーダー・管理職クラスを対象としたリーダーシップ研修を実施しました。事前課題として「あなたが尊敬するリーダー」について質問したところ、意外な結果が明らかになりました。歴史上の偉人や著名な経営者を差し置いて、圧倒的な1位に輝いたのは、なんと漫画「ONE PIECE」の主人公・モンキー・D・ルフィだったのです。
「え、漫画のキャラクターがビジネスリーダーの参考になるの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、研修現場でこれほど名前が挙がるという事実は、ルフィの生き方・仲間との関わり方が、いま職場で求められるリーダー像にフィットしている証拠だといえます。

本稿では、ワンピースの物語を“学びの教材”と位置づけ、ルフィのリーダーシップを紐解きながら、サーバント・リーダーシップとの共通点、そして企業現場での活かし方を考えてみたいと思います。

1)データが示すルフィ人気の実態

今回の研修では、実に20%近い得票を得て、ルフィが圧倒的1位となりました。2位以下は団子状態で、個人名では山本五十六や徳川家康が数名。ジャンルとしてはサッカー・野球の選手や監督が多かったのですが、個人に投票がばらけてしまい、結果としてルフィが圧倒的でした。
 なお、無視できない数で「現在・過去の上司」があったことも挙げたいと思います。これは良い傾向とも言えますし、自分の見える範囲でしかリーダーシップを意識していないとも言えるでしょう。

2)ワンピース世代のリーダーシップ観

この結果の背景には、昨今の新たなリーダー層が「ワンピース世代」であることが挙げられます。1997年に連載が開始されたワンピースは、現在30~40代の管理職が学生時代から社会人初期にかけて熱中した作品です。彼らにとってルフィは、単なる漫画のキャラクターではなく、価値観形成期に影響を受けた「理想のリーダー像」なのです。

3)従来のリーダー観との乖離

興味深いのは、同じ研修で50代以上の参加者に同様の質問をすると、回答の傾向が大きく異なることです。50代以上では「坂本龍馬」「松下幸之助」といった歴史上の人物や実業家が上位を占めます。この世代間の違いは、求められるリーダーシップ像の変化を如実に表しています。

1)ビジネス書としてのワンピース関連書籍の豊富さ

実は、ワンピースをリーダーシップの教材として扱った書籍は驚くほど多く出版されています。代表的なものとして、安田雪氏の『ルフィの仲間力』(17万部突破)や『ルフィと白ひげ 信頼される人の条件』、山内康裕氏らの『「ONE PIECE」に学ぶ最強ビジネスチームの作り方』などがあります。最近では、直接書籍名には出てきませんが、安斎勇樹氏「冒険する組織のつくりかた」で詳しく言及されています。これらの書籍が2011年頃から継続的に出版され続けていることは、単なるブームではなく、実際のビジネス現場でのニーズの高さを物語っています。

<参考書籍>

2)個人ブログレベルの発信が多い理由

興味深いことに、これらのテーマに関する発信の多くは、研修会社や人材育成の専門機関からではなく、個人ブログや書籍という形で行われています。これは「漫画のキャラクターを参考にするのは、リーダーシップ教育として適切ではない」という固定観念が、まだ一部に残っているからかもしれません。

3)固定観念を見直すべき時代の到来

しかし現実のリーダー層がルフィを理想像として挙げている以上、この考え方自体を見直す必要があります。むしろ、実際のビジネス現場では理想像として定着しつつあるものとして、積極的に受け入れるべき段階に来ているのではないでしょうか。
実際に、リーダーシップ理論として挙げられている特徴と、ルフィの行動は驚くほど一致している点が多く、また実例(?)に基づいているため、学習教材としても秀逸です。さらに、現在では坂本龍馬の実績よりもルフィの実績のほうが万人に知られているという側面もあり、認識の共有がしやすいのも現実です。したがって、経営層・人事担当こそ、ルフィのリーダーシップを学ぶ必要があると考えます。

①ビジョンを示す

ルフィの最大の特徴は、「海賊王になる」という明確で一貫したビジョンを持ち、それを周囲に示し続けることです。彼のビジョンは単なる個人的な野望ではなく、仲間それぞれの夢の実現とも密接に結びついています。現代の組織においても、リーダーが示すビジョンが個人の成長と組織の目標を両立させるものであることの重要性を、ルフィは体現しています。

②仲間を助け、自らも死地に飛び込む

ルフィは仲間が危険にさらされると、躊躇なく自分の身を危険にさらしてでも助けに向かいます。アラバスタ編でのビビとの別れ、エニエス・ロビー編でのロビン救出など、数々の場面で「仲間のためなら命をかける」姿勢を示しています。これは現代のリーダーシップ論で重視される「サーバント精神」そのものです。

③ 仲間を信じて任せる(自分の限界を知る)

ルフィは自分ができないことを素直に認め、それぞれの専門分野については仲間に完全に任せます。航海術はナミに、医療はチョッパーに、料理はサンジに。この「適材適所」と「権限委譲」の徹底は、現代組織における効率的なチームマネジメントの理想形です。

④仲間の自己実現を支援

麦わらの一味の各メンバーには、それぞれ個人的な夢があります。ルフィはその夢の実現を全力でサポートし、時には自分の目標よりも仲間の夢を優先することもあります。これは現代の人材マネジメントで重視される「個人のキャリア開発支援」と完全に一致する考え方です。

1)サーバント・リーダーシップとは

サーバント・リーダーシップは、1970年にロバート・グリーンリーフによって提唱された概念で、「リーダーはまず仕える人(サーバント)であり、その後でリーダーになる」という考え方です。従来の権力型リーダーシップとは対照的に、部下の成長と幸福を最優先に考え、組織全体の利益につなげるアプローチです。

特に最近のリーダーシップ研修では、「今まで自分は昭和・平成型の上から/見て覚えろ的なリーダーシップしか見ていない。自分が管理職になっても、どういうリーダー像を示せばよいかわからない」という新しいリーダーに対して、サーバント・リーダーシップの概念は非常に好評です。コンプライアンスや自己判断が現場に求められる、まさに現代向きのリーダー像のモデルといえます。

2)10の特性との一致度

グリーンリーフが示したサーバント・リーダーの10の特性を見ると、ルフィのリーダーシップとの類似点は驚くほど多いことがわかります:

<グリーンリーフの示した10の特性とルフィの行動
①傾聴(Listening)      :ルフィは仲間の悩みや想いを真剣に聞く
②共感(Empathy)      :相手の立場に立って物事を考える
③癒し(Healing)        :傷ついた仲間を癒し、立ち直らせる
④気づき(Awareness)    :状況を的確に把握する直感力
⑤説得
(Persuasion)     :権力ではなく人柄で人を動かす
⑥概念化(Conceptualization) :大きな夢・ビジョンを描く
⑦先見力(Foresight)     :未来を見据えた判断力
⑧執事役(Stewardship)    :仲間の成長に責任を持つ
⑨人々の成長への関与(Commitment to the growth of people) :個人の夢の実現を支援
⑩コミュニティづくり(Building community)         :強い絆で結ばれた組織作り

上記の表から読み取れる重要なポイント>

  1. 感情への配慮:一貫して常に相手の感情を重視し、心に寄り添う姿勢
  2. 個人の尊重 :各メンバーの個性や夢を尊重し、画一的な管理ではなく個別対応を徹底
  3. 信頼関係  :権力ではなく信頼と魅力で人を動かす、現代的なリーダーシップスタイル
  4. 長期的視点 :目先の利益よりも、仲間の成長や組織の長期的な発展を重視する姿勢

3)なぜルフィ型リーダーシップが支持されるのか

現代のビジネス環境は、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)時代と呼ばれ、従来の指示命令型リーダーシップでは対応が困難な状況が増えています。こうした環境下では、メンバー一人ひとりの創造性と主体性を引き出すサーバント・リーダーシップがより有効であり、ルフィのリーダーシップがまさにその理想形を示しているのです。

このように、ルフィのリーダーシップ像は高度に洗練された、論理的な整合性もあることがお分かりいただけたと思います。かつ、現代の組織のおいて非常に実践的でもあります。一部繰り返しになりますが、特に現在の組織で有用なポイントして以下が挙げられます。

1)ビジョン共有の実践方法

ルフィが「海賊王になる」という夢を語り続けるように、現代のリーダーも自分のビジョンを繰り返し語る必要があります。ただし重要なのは、そのビジョンが部下個人の成長や目標とどう結びつくかを明確に示すことです。定期的な1on1ミーティングや全体会議において、組織のビジョンと個人の目標の関連性を継続的に確認しましょう。

2)権限委譲と信頼関係の構築

ルフィが各分野の専門家に完全に任せるように、現代のリーダーも部下の専門性を信頼し、適切な権限委譲を行うことが重要です。マイクロマネジメントを避け、結果に対する責任は取りつつも、プロセスについては部下の判断を尊重する姿勢が求められます。

3)部下のキャリア開発支援

麦わらの一味のメンバーがそれぞれの夢に向かって成長するように、部下一人ひとりのキャリア目標を把握し、その実現を支援することが重要です。時には組織の短期的な利益よりも、部下の長期的な成長を優先する判断も必要になるでしょう。

ルフィのリーダーシップは、サーバント・リーダーシップの要件を満たしつつ、仲間の自己実現を軸にチームを前進させる「令和型リーダー像」の一つです。現代のリーダーシップは「支配」から「支援」へ、「指示」から「共感」へと変化しています。ルフィが示すサーバント・リーダーシップの理想像を、固定観念にとらわれることなく受け入れ、新時代のリーダー育成に活かしていくことが、組織の持続的な成長につながるのです。

※ただし、ルフィのリーダーシップを現実の組織で実践する際は、一点注意が必要です。漫画の中でルフィは時として部下(仲間)に物理的な制裁を加えることがありますが、これは現実のビジネス現場では完全にNGです。コンプライアンスについては重々お気をつけください。


※弊社では、本稿で触れた「サーバント・リーダーシップ」や「ルフィ型リーダーシップ」を体系的に学べる研修プログラムを提供しております。現代のリーダー層の価値観に合致した効果的な人材育成にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

また、上記内容の無料セミナーを2025年8月19日(水)18時~実施しておりますので、是非ご視聴ください。

ヒューマンエナジーの「カスタマイズ研修」では、お客様が抱えている課題をお聞きし、目的や組織や人物像を理解して解決案を提示し、個別に研修を組み立てます。カスタマイズ研修には4つの特徴があります。「ビジョン反映型」「社会の変化に対応」「ワークショップ中心」「ゴールまで支援」の4つです。特に 「ゴールまで支援」 の観点から、研修後のフォローアップ施策まで一貫してサポートします。受講者が学んだことを 実務に活かし、確実に行動変容につなげるために、研修設計の段階からフォロー体制を組み込むことを重視しています。具体的には、研修後の事後課題、フォローアップ研修の設計を含めたフォロー施策を提案し、受講者が学びを継続できる環境を整えます。また、単なる知識の習得で終わらせず、「実践し、定着させる」ことを目的としたアクションプランを策定し、職場で活用できる仕組みを構築します。
さらに、研修効果を最大化するためには、受講者本人だけでなく、上司や人事、経営層の関与も欠かせません。そのため、組織全体で研修の成果を支える仕組みとして、上司との1on1の導入や、研修の目的を経営層と共有する取り組みもご提案しています。研修の「やりっぱなし」を防ぎ、ゴールまで伴走することで、確実な成果へとつなげます。
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今回ご紹介した研修の振り返り・評価のサポートや、お客様の課題やご要望に応じて年単位・半年単位での組織変革・人材改革も支援いたします。
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ディープリスニングの他、以下のような様々な企業での実務的な経営経験も活かし、経営改善・組織改革から現場の業務効率化まで幅広く、お客様の目的にあわせた研修プログラムをご提供します。

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【コラム】 若手が休みがち 、その時どう動く? ~初動対応と根本解決で乗り越える世代間ギャップ~

目次

新入社員たちもそろそろ職場に慣れてきた頃かと思っていた矢先、「 若手が休みがち 」、「毎回、体調不良と言うけれど、普段は元気そうに見える」、「注意したいけれど、ハラスメントと誤解されるのが怖くて踏み込めない」、そんな声を、人事や現場リーダーの方々からよく耳にします。

かつてのように「新人が休むなんてあり得ない」と一喝するような時代ではありませんし、放置すれば別の問題に発展することもある――そのはざまで、どう対応すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。難しいのは、背景にある価値観や事情は人それぞれであり、一律の正解がないということ。だからこそ、感情的にならず、冷静かつ柔軟に向き合う姿勢が求められています。

本稿では、「 若手が休みがち 」と言われるが実態はどうなのか、背景にある環境要因をひも解きながら、現場での初動対応から長期フォローの対応策を整理していきます。

1)「休みがち」とは、

一般的な休暇制度(年次有給や病欠など)を超えて欠勤をしたり、繰り返しの休暇取得、突発的な自己都合での休みが続く場合などに言われます。特に新入社員の場合、有給休暇の付与前(入社半年未満)に欠勤が重なると、たまたま体調不良だったか、それ以外の背景があるのか、対応を検討する必要が出てきます。

2)休む理由のTOPは体調不良

エン・ジャパンの調査「遅刻・欠勤の伝え方調査(2024年)」では、アルバイトではありますが「直近1年で遅刻・欠勤経験がある」と答えた若手層が77%にのぼりました。そして欠勤理由の最多が「体調不良」であること、また休むときの連絡手段は電話とともにLINEが多くをしめており、コミュニケーションスタイルの変化も浮き彫りになっています。

これらの数字が示すのは、働く現場において「急に体調不良で休む=例外」だった時代は終わり、体調不良で休むことは一般化しており、「意識のハードル」は下がっていることが伺えます。

『エンバイト』ユーザー1100人に聞いた「遅刻・欠勤の伝え方」調査ー『エンバイト』ユーザーアンケートー 2024年

3)隠れがまん派も一定数いる

その一方で、隠れがまん派が多数いるのも事実です。月刊総務「働くことと不調に関する意識調査(2024年 ツムラ調査)」によると、社会人歴3~5年目の20歳代・30歳代男女1000人を対象に調査した結果、約6割の社員が「4月は体調不良を我慢しがち」と回答し、そして3人に1人が入社3ヶ月以内に体調を崩した経験があると答えています。つまり、3年以上の安定した継続勤務をしている社員でも、一定数は入社後に不調を感じていたことが明確になりました。また海外事例にはなりますがデロイト社の「2024 Gen Z & Millennial Survey」によれば、Z世代の 40% が「常にストレスを感じる」と回答していることも明らかになっています。

これらによって入社後の欠勤の裏には「本当に体調が悪い」、「無理をしていた」というケースも多く、有給が付与される前であったとしても、休むことを単なる“甘え”と一括りにするのは危険だということもわかります。

月刊総務オンライン編集部 2024年03月
新入社員の「隠れがまん」に要注意 「甘え」とせずに相談できる環境が定着アップ(ツムラ調査)

さらに、厚生労働省の調査によると、13.5%の事業所で「メンタルヘルス不調により1カ月以上休業した労働者」が存在しており、その多くが20代でした。短期的な欠勤が放置され、やがて長期休職につながるリスクも見逃せません。

厚生労働省 令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況

このように、“ 若手が休みがち ”という印象は、休むことへの意識のバードルが下がっている心理面の他、実際に1/3は体調不良を起こしていることや、どの企業においても休みがちな社員が一定数は発生しうる状況にあるなどの現実が絡み合っており、決して数が多いわけではないが、従来に比べると増えていることが伺えます。ここから、不調の理由が「甘え」なのか「サイン」なのか、冷静に見極める視点が今の管理職や人事には求められています。

新入社員が社会人生活に慣れていない段階で欠勤する可能性が従来よりも高まっている事実は、ある程度ご理解いただけたかと思います。一方で「簡単に休む癖をつけてほしくない」と考える職場側の思いも理解できます。ただし、今の若手と先輩世代とでは環境や価値観が大きく異なっており、過去の基準だけで接することは問題の本質や解決策を見誤る恐れがあります。ここでは、休みに対する世代間の認識の違いを背景別に整理します。

メンタル負荷の増大

前述の調査結果における「隠れがまん」のように、4月という環境変化が大きい時期に適応を求められ、ストレスを抱えがちな実態が表れています。その他、海外においてもデロイト社の「2024 Gen Z & Millennial Survey」によれば、Z世代の 40% が「常にストレスを感じる」と回答していることも明らかになっています。

複雑化した社会においてストレスの要因は一概には語れませんが、新人の環境に注目してみると、コミュニケーション摩擦への免疫不足、業務の複雑化やスピード感への追従の難しさ、顧客や上司の指示に従う必要からの精神的な負荷の高まりなどが挙げられます。従来よりも安全に守られて育ち社会に出るため、この段階での環境変化が先輩達の時代よりも大きなギャップや戸惑いになっていると考えられます。

② 育った環境による教育方針の違い

上司世代は、学校時代の皆勤賞や、欠勤での評価低下やボーナス減など「実害」があった時代を経てきたこともあり、「休む=評価が下がる」という認識が高く、「無理してでも出社する」ことが常識でした。

一方若手は、学校教育でも「無理をしない」「体調管理が最優先」という方針で育っています。またコロナ禍や過労死が取りだたされたことも絡み、ライフが頭にくるライフ・ワークバランス、健康優先、多様性重視の価値観が高まっています。そのため主体的に休むことが自己管理の現れであり「自分を守る当然の行為」と考える傾向にあります。

団体行動への配慮の希薄化

Z世代は学生時代から自由度の高い環境で育ち、「休む=当然の選択」という意識が形成されています。大学の出席自由化やアルバイトの柔軟性、コロナ禍のオンライン授業などが背景です。

また、地域活動や部活動、兄弟・親戚関係など集団生活の経験が従来よりも乏しく、自分の欠勤が周囲に与える影響を想像しにくい傾向があります。加えて、SNSなどの非対面・非同期コミュニケーションに慣れていることから、相談や事前連絡が希薄になりがちです。

④企業文化と社会環境の変化

2025年4月の有効求人倍率は1.26倍と依然売り手市場が続き、若手にとって「辞めても次がある」という離職に対する危機感の希薄さは先輩世代のそれとは異なるでしょう。このような採用競争の激化やハラスメント対策が進む中、多くの企業が「休みやすさ」や「心理的安全性」など「働きやすさ」における企業文化の改善に努め、アピールをしています。これにより、求職者側も「休みやすい職場か」「メンタル不調への理解があるか」を企業選択時に重視するようになっています。これらの影響の結果、現場でもし問題になるような休み方をしたとしても注意される機会が減り、社会人になっても休みに対する心理的ハードルはさほど高まらないと考えられます。

休みがちな若手社員への初動対応は、感情的にならず、戦略的にアプローチすることが重要です。

① 事実確認を最優先する
まず、「休みがち」という状況を客観的に把握することから始めます。感覚的な判断ではなく、具体的な数字で現状を整理します。この事実確認により、問題の深刻度と対応の緊急性を正しく判断できます。

  • 過去3ヶ月の欠勤日数と理由の記録
  • 欠勤パターンの分析(特定の曜日、時期、業務内容との関連性)
  • 他のメンバーとの比較データ
  • 業務への影響度の測定

② 個別面談による背景理解
事実が整理できたら、感情的にならず、冷静に個別面談を実施します。この時重要なのは、「叱責」ではなく「理解」を目的とすることです。面談では以下の点を確認します。

  • 体調面での問題の有無
  • プライベートでの変化や課題
  • 業務内容や職場環境への不安や不満
  • キャリアや将来への考え方

現在のコンプライアンス環境下では、従来の指導方法では効果が期待できません。新しいアプローチが必要です。

① 「影響の見える化」による気づき促進
直接的な叱責ではなく、本人の行動が周囲に与える影響を「見える化」することで、自主的な気づきを促します。

  • チーム全体の業務スケジュールの共有
    個人の欠勤がプロジェクトに与える影響を可視化
  • 同僚へのインタビュー結果の共有
    周囲の状況を(匿名で)フィードバックし、理解してもらう
  • 顧客への影響の共有
    実際に影響があった場合は、具体的な事例を共有する

② 段階的な目標設定とフォローアップ
一度に大きな変化を求めるのではなく、段階的な改善目標を設定します。
これらの各種施策については、個別対応が重要となりますので、都度、上長による判断と設計が必要となります。重要なことは以下です。

  • 定量的・期限のある目標を決める
     「いつまでに当日連絡の欠勤をなくす」などの目標を決めましょう。こういった取り組みは、期限を決めないといつまでも現状を追認してしまうことになります。
  • 目標は流動的なものだと認識する
    一方で、人間の気持ちが関連するこうした問題は、目標をとにかく守らせることが重要ではありません。むしろ目標を守らせようとするあまりプレッシャーが強まってしまい、会社に対してのロイヤリティが下がってしまうことも十分に考えられます。定期的な面談を行い、目標の見直しも柔軟に行いましょう。

初動対応では、必ず記録を残し、継続的なモニタリング体制を構築します。特に、管理者もこうしたケースの場合は「印象」でものを見がちです。見た目の態度や、最初の印象に左右され、欠勤率が改善していても気づかないケースなどもありますので、記録を作っておくことが非常に重要です。これらがいざという時の根本的な解決策を検討する際の重要な判断材料となります。

① 面談記録の作成

  • 面談日時と参加者
  • 話し合った内容と本人の反応
  • 設定した目標と期限
  • 次回面談の予定

② 行動変化の記録

  • 欠勤頻度の変化
  • 勤務態度の改善状況
  • 同僚との関係性の変化
  • 業務パフォーマンスの推移

1)研修によるアプローチ

研修によるアプローチにおいては、若手に対するものと、リーダー管理職向けに対するもの、双方が重要となります。若手には「ルールだから」「当然やるべきことだから」という姿勢ではなく、「チームワークのある状態がなぜ望ましいのか」「会社に対するコミットメントが高い状態とはどういう状況か」をイメージできるような研修が望ましいです。結果として、前向きに出社をしたいと思い、やむを得ず出社できないときは率直に伝えられる関係性を目指します。

2)仕組化によるアプローチ

仕組化による工夫とは、研修以外の日常業務の場において、早く問題を認識し、また若手が悩みを持った際に相談できる体制を作ることです。1on1の仕組みは導入されているが形骸化している、手ごたえを感じられない企業などは、いったん内容を見直し、改善を図ることが有効な手立てになる場合があります。また評価システムやコミュニケーションシステムを変えることで、心理的安全性を高めることも中長期的に非常に重要な打ち手といえるでしょう。

  • 数字で現状を把握する(1/3は体調不良、長欠13.5%など)
  • 背景を多面的に読み、世代間ギャップを埋める(メンタル・教育環境・市場
  • 初動対応:「測る→共有→フォロー」
  • 根本解決:教育と制度を同時にアップデート

若手が休みがち なのは“甘え”ではなく、組織設計のアップデートを迫るサインです。「休む」を責めるのではなく、「戻って来やすい仕組み」を創る──これが世代間ギャップを埋める最大の近道です。


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 是非、2025/7/16(水)無料オンラインセミナーにお申込み・ご視聴ください。

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【コラム】 プレイングマネジャー を救え!成果と育成を両立させる方法とは

 プレイングマネジャー の悩み

目次

現代の企業組織において「 プレイングマネジャー (プレイヤーとマネジャーを兼任する管理職)」は、もはや当たり前と言ってよい存在です。産業能率大学が実施した「上場企業の課長に関する実態調査」によると、上場企業の課長の実に98.5%が プレイングマネジャー であり、加重平均の算出ではプレイング業務は49.1%に達しています。この調査では、プレイヤーとしての役割が全くない課長はわずか1.5%しかおらず、ほとんどの課長がプレイヤー業務とマネジメント業務を両方担っていることが明らかになりました。

また、リクルートワークス研究所の調査でも同様の傾向が見られており、87.3%のマネジャーがプレイング業務を行っていると回答しています。さらに驚くべきことに、約3割のマネジャーがプレイング業務に自身の仕事時間の50%以上を費やしている実態が浮き彫りになりました。

管理職に昇進すると、これまでのように自分の業務だけに集中するわけにはいきません。プレイヤーとしての実務に加えて、部下の育成やチーム全体のマネジメント、さらに部署全体の目標達成に責任を持つことになります。加えて、経営層からは、成果や言動に対するプレッシャーはこれまで以上に大きくなります。

多くの管理職はこうした「責任の重さ」や「業務量の多さ」の中で、日常的に多忙で余裕のない状態にあるため、部下の支援や組織運営に手をかけたくても、自分の業務で手一杯になってしまう管理職も少なくありません。

また、時間的な拘束も見逃せないポイントです。管理職になると業務の幅が広がる分、働く時間も長くなりがちです。しかし、その分の報酬が見合っているとは限らず、むしろ報酬面での“逆転現象”が生じることもあります。役職手当が支給される代わりに、残業代がカットされる企業も多く、業務量が多すぎると、手当が実質的に割に合わないというケースが見られます。

このように、「責任は増えるのに報酬はあまり変わらない」「業務量は増すのに見返りが少ない」という実態があると、管理職自身のモチベーションが下がりやすくなります。また、そうした現状を見た若手社員は「管理職になりたくない」と感じるのも自然な流れです。その結果として、管理職候補が育たず、今いる管理職に業務と責任が一層集中するという、悪循環が生まれています。

深刻なのは、「人材不足」と「自分の業務量の増加」が、同時進行で管理職を追い込んでいる点です。この二つの要因が大きな負担となり、現場をさらに疲弊させる構造が続いています。

さらに深刻な問題として、管理職を目指したいと考える社員が減少していることが挙げられます。パーソル総合研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査 2024」によると、「現在の会社で管理職になりたい」と回答した人はわずか17.2%で、2021年の調査から6.8ポイント下降しています。

特に20代の若手社員では、管理職を希望する割合が2021年の36.4%から2024年には28.2%と大きく低下しています。また性別で見ると、「管理職になりたい」と回答した人は男性で20.4%、女性で12.3%と、女性の管理職志向が特に低いことも明らかになっています。

こうした状況も影響し、企業は「自分の後任を担える人材・次世代リーダーが育っていない」という深刻な人事課題に直面しています。リクルートマネジメントソリューションズの「人事・組織戦略における課題調査」では、この課題が最も多く挙げられており、特に経営層が抱える大きな問題となっています。

プレイングマネジャー が自ら仕事を抱えてしまうのには、いくつかの構造的な要因があります。リクルートワークス研究所の調査によると、プレイング業務を行う主な理由として以下が挙げられています。

1. 業務量が多く、自分もプレイヤーとして加わる必要がある (57.3%)
2. 部下の力量が不足しており、自分もプレイヤーとして加わる必要がある (37.3%)
3. 自分がプレイヤーとして加わらないと、当期のチームの業績目標が達成できないため (30.3%)

これらの結果から、マネジャーが責任を持つ現場の厳しい実態が浮かび上がってきます。チームとして達成すべき業績目標やミッションを成し遂げるためには、以前よりも高度かつ大量の業務をスピーディに処理する必要がある一方で、人手不足の環境下で十分なスキルを持った部下を確保するのは困難です。さらに、働き方改革の影響もあり、部下の超過労働を減らすためにマネジャー自身が業務を抱え込む傾向も見られます。

実際には、 プレイングマネジャー が自ら業務を抱え込む本質的な要因として、以下の3つが考えられます。

①  役割肥大化:成果と育成両方に責任

   マネジャーには、部門の業績達成という「成果への責任」と、部下の育成・成長という「育成への責任」の両方が課せられています。これらの役割は時に相反する側面を持ち、日々の業務において両立させることは極めて困難です。そして経営からの圧力は常に「成果への責任」のほうが高く、目先の目標達成のために、プレイヤーとしての能力が高い自らが行動して数字を達成することとなります。

②   リソースの不足(人材/予算) 

   多くの組織では、適切な人材や予算のリソースが不足しています。特に少子高齢化、労働人口の減少といった社会的背景の中で、十分なリソースを確保することが難しくなっており、マネジャー自身が現場で手を動かさざるを得ない状況が生じています。特に最近では、企業の「ホワイト化」が進み、特に若手の離職を意識すると残業を頼むこともできず、残業代が発生しないマネジャーが時間を使い、自ら業務を処理するというケースも生まれています。

③   スキルとマインドのギャップ 

   多くのプレイングマネジャーは、優秀なプレイヤーとしての実績を買われて昇進したケースが多く、マネジメントスキルやマインドセットの面でギャップを感じていることも少なくありません。つまり部下のプレイヤーとしての能力に不満を覚えるケースが多くあります。特に「信頼して任せる」というマインドセットへの転換が難しいことが、プレイング業務の比率を高くする一因となっています。

リクルートワークス研究所の調査によると、プレイング業務比率が40%を超えると業績が落ちる傾向にあることが明らかになっています。

プレイングマネジャーの悩み 業務割合
出典:リクルートワークス研究所 Works Report 2020「プレイングマネジャーの時代」より

具体的には、プレイング業務の割合とチーム成果の関係を分析した結果、プレイング業務をまったく行わないマネジャーのチーム成果指標の平均値が3.08であるのに対し、プレイング業務の割合が「20%~30%未満」のマネジャーのチーム成果指標は3.27と最も高くなっています。一方、プレイング業務の割合が増えるにつれて、チーム成果指標は徐々に低下し、「80%以上」のマネジャーでは2.86と最低値を示しています。

これらの結果から、目指すべきプレイとマネージのバランスとして、以下の3つのポイントが重要と言えます。

 プレイングマネジャー の悩み プレイとマネージの最適なバランス

①プレイングの比率を30%以下にする

プレイング業務の割合を30%以下に抑えることで、マネジメント業務に十分な時間を確保し、チーム全体の成果を最大化することができます。
 これはリクルートワークス研究所での統計データから出ている数字ですが、マネジャーの皆様からすると、肌感覚のある数字として認識できるのではないでしょうか。少なくともプレイヤーとしての業務が立て込んでくると、「やるべきマネジメント業務ができていない」と感じることが多いように自分自身も感じます。

プレイングする仕事の中身を吟味する

 マネジャーがプレイヤーとして関わる業務は、戦略的に選ぶことが重要です。特に改善レベル、変革レベルの仕事など、知識と経験が必要で、ネットワークを活用して変化を起こすことが求められるような高度な業務には、マネジャー自身が関わることでチーム成果にプラスを与えることができます。また、誰もやったことがない新しい業務、定型的なものがなにもない業務なども、経験と知識を必要とするため、若手に任せることが必ずしも良い結果を生まないケースがあります。さらに上長を巻き込んだ業務の場合は、中間管理職であるマネジャーが積極的にかかわることで組織としての推進力となることが期待できます。

プレイングしながら業務改善と部下の教育を行う

プレイング業務を行う際には、単にタスクをこなすだけでなく、常にマネジャーとしての視点を持ち、それを部下の育成や業務改善に活かすことが重要です。自身のプレイング業務を通じて部下に良い影響を与えることで、チーム全体のパフォーマンス向上につなげることができます。例えば、自分の効率的なやり方を部下に見せたり、ともに働きながら部下のコンディションや悩みを把握する、新しいアイディアや方法を一緒に試すなどです。ただのタスク消化・ノルマ遂行ではなく、マネジメント業務実行のための時間に転換してしまう、という発想です。

しかしながら、プレイング比率を30%以下にする、仕事の中身を吟味する、業務改善と部下の教育を兼ねる、どれもわかってはいるけどもなかなかできない、というのが実態ではないでしょうか。そうした難しさを乗り越えるための具体的施策が、以下の3つの手段となります。

 プレイングマネジャー の悩み うつべき手段

プレイングマネジャー の課題を解決するための第一のアプローチは、制度面からの改革です。特に評価制度を見直すことで、マネジャーの行動や意識を変えることが可能になります。

単なる部門の結果指標によるKPIではなく、マネジメントがなされているか、組織の成長のための手が打てているかを評価する

多くの企業では、マネジャーの評価は担当部門の売上や利益などの「結果指標」に偏りがちですが、これではプレイング業務に注力せざるを得ない状況を生み出してしまいます。評価制度を見直す際には、以下の点を重視することが重要です。

  • 部下の育成や成長への貢献度
  • チーム全体の生産性向上への取り組み
  • プロセス改善やイノベーションの推進
  • 適切な権限委譲と部下の自律性の促進 これらの要素を評価項目に加えることで、マネジャーがマネジメント業務に注力するインセンティブを創出できます。

単なる評価だけでなく、フィードバックプロセスなどを通じて会社の哲学として伝える

評価制度の改革には、単に評価項目を変更するだけでなく、フィードバックプロセスを充実させることも重要です。定期的な面談や360度評価などの多面的なフィードバック、そして継続的なコーチングを通じて、企業が目指すマネジメントのあり方を「会社の哲学」として浸透させることが効果的です。

特に注目すべきなのは、マネジャー登用前の評価・アセスメント制度の導入です。本人の希望や適性、チームメンバーからのフィードバックなどを総合的に評価し、マネジメント適性を見極めることで、適切な人材をマネジャーに登用できます。また、マネジャーになってからも継続的に多角的な評価を行うことで、マネジメントスキルの向上を促進することが可能です。

次に重要なのは、業務プロセス自体の見直しです。 プレイングマネジャー の負担を根本から軽減するためには、業務の効率化や再設計が欠かせません。

そもそも不要な業務をなくす・プロセスを簡素化する

まず取り組むべきなのは、既存の業務フローを徹底的に見直し、不要な業務や重複した作業を排除することです。例えば、定型的な報告書や会議の必要性を再評価し、本当に必要なものだけを残すというアプローチが効果的です。また、自動化できる業務は積極的にITツールなどを活用して省力化を図ることも重要です。

業務プロセスの簡素化には、以下のような具体的な手法が有効です。

  • 業務の棚卸しと必要性の検証
  • 会議の目的と頻度の見直し
  • 報告書やドキュメントの書式と量の簡素化
  • デジタルツールの活用による業務自動化

業務を見直し、部下にできる仕事を改めて洗い出す

プレイングマネジャー が自ら抱え込んでいる業務の中には、実は部下に任せられる仕事も少なくありません。業務を詳細に分析し、以下の視点で整理することが重要です。

  • 各業務に必要なスキルレベルの特定
  • 部下の成長につながる挑戦的な業務の抽出
  • 定型業務と判断業務の切り分け
  • 段階的に権限委譲できる業務の特定 このプロセスを通じて、マネジャーは本来自身が担うべき業務に集中することができるようになります。

工夫をしたりやり方を変えることで部下に任せられる仕事を見出す

一見すると部下に任せるのが難しそうな業務でも、やり方を工夫することで委託可能になるケースがあります。例えば、複雑な業務をいくつかのシンプルなステップに分解したり、チェックリストやマニュアルを整備したり、ペアワークを導入するなどの工夫が考えられます。

効果的な権限委譲のためには、以下のようなアプローチが有効です。

  • 業務の標準化とマニュアル化
  • 部分的・段階的な権限委譲
  • OJTやメンタリングの充実
  • 失敗を許容する文化の醸成

最後に、 プレイングマネジャー のスキルとマインドセットを向上させるためのマネジメント研修が重要です。適切な研修を通じて、 プレイングマネジャー は効果的なマネジメント手法を習得し、実践に活かすことができます。

部下に任せられる仕事を洗い出し、任せてみるというマネジメント側からのアプローチ

(ア) マインドセットの変革
多くの プレイングマネジャー は、「自分でやったほうが早い」「部下に任せると品質が下がる」といった思い込みにより、仕事を抱え込む傾向があります。このようなマインドセットを変革し、「部下に任せることが自分の役割である」という意識を醸成することが重要です。

研修では、以下のような内容が効果的です。

  • 「コントロール」から「信頼」へのパラダイムシフト
  • マネジャーの役割と責任の再定義
  • 権限委譲のメリットと効果的な方法
  • コーチングの基本スキル

(イ) 現状に対する気づき
研修を通じて、自身の行動パターンや時間の使い方を振り返り、現状の課題に気づくことも重要です。特に自己分析やピアレビューを通じて、自分がどのような状況でプレイヤー業務に偏りがちなのかを客観的に認識することが、行動変容の第一歩となります。

(ウ) 具体的な行動変革の計画策定
研修の最終段階では、学んだ内容を自身の職場で実践するための具体的な行動計画を策定します。SMART(具体的、測定可能、達成可能、関連性がある、期限がある)な目標設定と、それを達成するための行動ステップを明確にすることで、研修後の実践につなげることができます。

業務の見える化を行い、業務効率化を実施するという業務プロセス見直し側からのアプローチ

(ア) 業務改善方法の体得
業務改善の基本的な手法やフレームワーク(例:PDCA、5S、ムダ取り、ボトルネック分析など)を学び、自身の職場での適用方法を習得します。また、チームメンバーを巻き込んだ改善活動の進め方についても学ぶことで、組織全体の効率化を推進できるスキルを身につけます。

(イ) 業務の見える化
業務の見える化は、改善の第一歩です。研修では、以下のような手法を学びます。

  • 業務棚卸しの方法
  • プロセスマッピングの技法
  • タスク分析とボトルネックの特定
  • 業務の可視化ツールの活用

(ウ) 具体的な検討の実施
研修の中で、実際の自部署の業務を題材にしたケーススタディやワークショップを行います。これにより、研修で学んだ内容を実践に直結させ、具体的な改善策を持ち帰ることができます。また、他の参加者との意見交換を通じて、多様な視点からの気づきを得ることも可能です。

プレイングマネジャー が直面している課題を解決し、彼らが本来のマネジメント業務に集中できる環境を整えることは、組織の持続的な成長にとって不可欠です。そのためには、以下の3つのアプローチを総合的に実施することが効果的です。

  1. 評価制度の改革
    マネジメントの質や部下の育成・成長への貢献を適切に評価し、フィードバックプロセスを充実させることで、 プレイングマネジャー に正しい行動を促します。 
  2. 業務プロセスの再設計
    不要な業務の削減や業務プロセスの簡素化を行い、効果的な権限委譲により、マネジャーの負担を軽減し、部下の成長機会を創出します。
  3. マネジメント研修の実施 
    マインドセットの変革から具体的なスキルの習得まで、 プレイングマネジャー の能力開発を総合的にサポートします

これらの取り組みにより、 プレイングマネジャー のプレイング業務比率を適正な30%以下に抑え、彼らが本来の役割である「チームの成果最大化」と「部下の育成・成長」に注力できる環境を整えることが可能になります。そして、そのような環境が整うことで、「管理職になりたい」と感じる社員が増え、組織の次世代リーダー育成という課題の解決につながるでしょう。 プレイングマネジャーを「救う」ということは、単に彼らの負担を減らすだけでなく、組織全体の生産性向上と人材育成の好循環を生み出すことなのです。成果と育成の両立という課題に正面から向き合い、適切な解決策を講じることで、プレイングマネジャー自身も、組織も、共に成長していくことができるでしょう。


※本コラムの内容に研修実例を交えて、2025/6/16(月)無料オンラインセミナーにて講演いたします。是非、お申込み、ご視聴ください。

ヒューマンエナジーの「カスタマイズ研修」では、お客様が抱えている課題をお聞きし、目的や組織や人物像を理解して解決案を提示し、個別に研修を組み立てます。カスタマイズ研修には4つの特徴があります。「ビジョン反映型」「社会の変化に対応」「ワークショップ中心」「ゴールまで支援」の4つです。特に 「ゴールまで支援」 の観点から、研修後のフォローアップ施策まで一貫してサポートします。受講者が学んだことを 実務に活かし、確実に行動変容につなげるために、研修設計の段階からフォロー体制を組み込むことを重視しています。具体的には、研修後の事後課題、フォローアップ研修の設計を含めたフォロー施策を提案し、受講者が学びを継続できる環境を整えます。また、単なる知識の習得で終わらせず、「実践し、定着させる」ことを目的としたアクションプランを策定し、職場で活用できる仕組みを構築します。
さらに、研修効果を最大化するためには、受講者本人だけでなく、上司や人事、経営層の関与も欠かせません。そのため、組織全体で研修の成果を支える仕組みとして、上司との1on1の導入や、研修の目的を経営層と共有する取り組みもご提案しています。研修の「やりっぱなし」を防ぎ、ゴールまで伴走することで、確実な成果へとつなげます。
具体的な研修内容や実施タイミングはお客様のニーズに応じて柔軟に対応いたします。企業の個別の課題をお聞きし、最適な研修やソリューションをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

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お客さまの目指す組織・求める人材像を把握した上で、経営ビジョンに沿った研修を実施します。

お客さまのお悩みを伺いながら、VUCA時代に激化する市場競争に対応できる人材と組織を開発します。

受講生同士のコミュニケーションを大切にしながら、互いの考えや気づきを共有することで相互理解を促します。

研修後も伴走し、目指す組織・求める人材像に向き合い続けます。


今回ご紹介した研修の振り返り・評価のサポートや、お客様の課題やご要望に応じて年単位・半年単位での組織変革・人材改革も支援いたします。
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代表取締役 神山 晃男  株式会社ヒューマンエナジー
ディープリスニングの他、以下のような様々な企業での実務的な経営経験も活かし、経営改善・組織改革から現場の業務効率化まで幅広く、お客様の目的にあわせた研修プログラムをご提供します。

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・株式会社ウェブリポ 代表取締役
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・株式会社イノダコーヒ 取締役
・NPO法人カタリバ 監事
・医療AI推進機構株式会社 監査役
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・流通経済大学 非常勤講師

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【コラム】不景気に研修をやめる企業は、なぜ損をするのか? ~逆境に強い教育設計~

研修コスト最適化,研修コスト削減,企業研修

目次

景気が悪化すると、「まずは研修費から削ろう」と考える企業は少なくありません。実際、2008年のリーマンショック時には、企業の63%が社員研修などの人材育成費用を削減したという調査があります(AIHR調査)。

この傾向は日本企業でも見られ、産労総合研究所の調査(下図参照)では、一人あたり研修費用がバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックのたびに大幅に落ち込んでいることが読み取れます。人材育成の必要性が叫ばれている中でも、失われた30年の間、一人当たり研修費用は結果として横ばいとなっていることが分かります。

研修サイクル,研修推移,研修コスト

なぜ景気悪化のたびに研修コストが削減されるのでしょうか。研修のROIが定量的に示されていないことに一因があると考えられます。つまり「目に見える成果がない」=「削っても支障がない」と判断されてしまっている可能性があります。しかしハーバード大学の調査では、不況時にコスト削減ばかりを優先した企業は、景気回復後に十分な成長ができなかったという結果が出ています。

研修投資,研修ROI,

研修を「コスト」と見るか「投資」と見るかで、企業の将来は大きく変わります。米国のロリー・バシー博士による研究では、研修投資のROIが平均300%(=1ドルの投資で6.72ドルの利益)に達するという驚異的なデータが示されています(AgileVelocity調査)。

加えて、研修を削減するリスクは人的資本の損失です。厚労省の資料によれば、正社員一人あたりの採用コストは約93万円(2019年時点、中途採用実態調査)にのぼり、離職による損失は業務引き継ぎの非効率や職場の心理的負担など、数値化しにくい損失も多大です。

リクルート就職みらい研究所「就職白書2020」
研修効果,エンゲージメント,離職率

研修は単なるスキル付与にとどまらず、従業員の“会社への期待”や“愛着”を高める装置としても機能します。リンクアンドモチベーション社の調査によれば、社員が離職を考える最大の理由は「成長実感の欠如」であり、エンゲージメントの高低と離職率には明確な相関があるとされています(BuzzKuri記事)。

また、サイボウズ株式会社では、自社研修やキャリア自律支援制度の導入を通じて、離職率を28%→4%にまで大幅に改善しています。

研修がある企業とそうでない企業の間では、以下のような差が明確です
 • 離職率の減少
 • モチベーションの向上、仕事満足度・チーム連携強化
 • 「会社が自分の成長を応援してくれる」という帰属意識の形成
これらはすべて、企業にとっての「戦力の維持」と「現場力の強化」という形で還元されます。

研修効果, 研修手法最適化, 研修コスト最適化

不況など経営環境が厳しい中でも人材育成を止めるわけにはいきません。研修予算が限られる状況では、研修投資の「再焦点化」(Refocus)、研修手法の「再配分」(Redirect)、研修資源の「再構築」(Restructure)という3つの視点から戦略的に施策を講じることが重要です。

以下、それぞれの概要と日本企業の具体的な取り組み事例を紹介します。

1.Refocus(再焦点化):研修ニーズの重点化

研修ニーズ重点化,再焦点化

限られた予算は、今まさに必要なスキルや将来の成長に不可欠な能力に集中投下します。まず自社のスキルマップや人材要件を見直し、優先すべき能力領域を特定します。例えば、SMBC日興証券では、2020年にLMS(学習管理システム)上で150以上の部署別に必要スキルを定義した「Nikko Palette」を導入し、各スキル項目から該当する学習コンテンツに直接アクセスできる仕組みを構築しました。これにより従業員は自身に足りないスキルを自覚しやすくなり、必要な教材に素早くたどり着けるようになっています。

同様にアサヒビールは、2018年に社内ポータル「Career Palette」を開設し、職種ごとのジョブディビジョンスキル表(スキルマップ)を研修体系の核に据えました。体系化されたスキルと具体的教材を紐付けてメニュー化した結果、eラーニングの月間PV数が500から6,000へと12倍に拡大するなど学習活性化に成功しています。

弊社でも研修のご提案だけでなく、スキルマップの見直しや等級に応じたスキルマップ構築からご支援させていただくこともあります。スキルマップ自体が、研修プログラムと密接に結びついていることが重要だと言えるでしょう。

従業員のスキルおよびモチベーション維持の観点からは、特に新入社員研修は守るべき研修と言えるでしょう。あわせて、将来のリーダー人材の育成も優先投資領域です。実際、不況期には研修対象を絞り、高い潜在力を持つ次世代リーダー候補に集中的な育成機会を与える企業が増えています。このように研修資源を重要スキル・重要人材に再焦点化することで、経費対効果を最大化します。

2.Redirect(再配分):研修チャネルと手法の見直し

研修チャネルと手法の見直し,再配分

研修方法を工夫し、低コストで効果の高いチャネルや学習手法に再配分します。コロナ禍以降、多くの日本企業が対面研修をオンライン研修やVR研修に切り替え、移動・会場費を削減しつつ研修の継続性を確保しました。たとえばコンビニ大手のファミリーマートは2023年より順次VRによる店舗オペレーション研修を導入しています。VRならば場所や時間を選ばずスタッフが自律的に学習でき、さらに同社のVR研修コンテンツは日本語を含む10カ国語に対応しているため、増加する外国籍スタッフの教育にも役立ちます。実際に2020年度入社の社員研修に試行導入した際は、VR研修により人が教えていた場合の約3分の1の時間で習得が可能となり、1人当たり約60時間の研修時間削減を達成しました(ファミリーマート)。これは大幅なコスト・工数削減とスピード育成を両立した好例と言えます。

ただし、単なるオンライン研修の導入だけでは、効果が見込めない場合もあります。オフライン・オンライン双方の研修講師をしている立場からは、オンライン研修における受講生の集中力は格段に落ちます。また、企業への帰属意識や同僚との共同作業による一体感の醸成なども期待できません。部分的にはオンライン研修を取り入れつつ、重要な研修は引き続きオフラインで行うことが必要だと考えます。

さらに、オンライン研修の効果を高めるためには研修コンテンツの設計手法も重要です。ただ動画を垂れ流すのではなく、「Tell(説明)→ Show(実演)→ Do(実践)→ Apply(応用)→ Reflect(振り返り)」といった学習プロセスに沿ってコンテンツを構成することで、受講者の主体的な参加と定着を促します(Shiftelearning)。

限られた予算下ではこのような基本に忠実な設計で研修効果を最大化することが肝要です。各社ともWeb会議システム+オンライン教材を部分的に活用した研修や、動画視聴と対話セッションを組み合わせたブレンデッドラーニングなどを取り入れ、研修手法を最適化(再配分)しています。

3.Restructure(再構築):研修予算・リソースの再設計

研修予算・リソースの再設計,再構築

最後に、研修に割ける限られた資源を構造的に組み替え、持続可能な形に再構築します​。具体的には以下のような施策が取られています。

  • 研修費用の再編成とコスト見直し: 既存の研修プログラムや契約を精査し、費用対効果の低いものを縮小する一方、重要施策には予算を振り向けます。必要に応じて、研修の一部を市販の定額制のオンライン学習サービスで代替することも手法の一つです。ただし、一般向けのオンライン学習サービスのみで研修を完結させてしまうと、企業独自の育成を放棄することとなってしまうため、留意が必要です。
  • 公的助成金の活用: 国や自治体の提供する研修補助制度を積極的に利用してコスト負担を軽減することも有効です。厚生労働省の人材開発支援助成金などは、従業員の職業訓練に要した費用や訓練期間中の賃金の一部を助成してくれます。(​mhlw.go.jp)。不況期でも公的資金をうまく組み合わせることで研修投資を下支えできます。

社内メンター制度の強化: お金をかけずに社員の成長を支える仕組みとして、OJTとメンタープログラムの充実も欠かせません。新人や若手社員に対しては、アサヒビールのように入社後4ヶ月間、社内公募で集まった先輩社員が「ブラザー/シスター」(メンター)役となりマンツーマンで業務指導やメンタルケアまで担う制度を設けている企業もあります​(global-saiyou.com)。このような社内メンター制度を活用すれば、高額な外部研修に頼らずとも現場で実践的に人材育成が可能となり、定着率向上にも寄与します。ベテラン社員による勉強会の開催やナレッジ共有の仕組みづくりなども含め、社内の知見を最大限に引き出すことがコストをかけない研修モデルとして注目されています。ただし、急にメンターとして実力を発揮するのは難しいため、当初はメンター育成のための研修などを実施することが必要でしょう。

以上、Refocus(研修ニーズの絞り込み)、Redirect(研修手法の工夫)、Restructure(研修資源の再設計)の3つの観点から、不況期でも研修効果を最大化する施策と事例をまとめました。これらを組み合わせることで、短期的なコスト制約に対応しつつも人材育成の重要課題を先送りせずに済み、将来の競争力に繋がる人材投資を継続することができます(aihr.comaihr.com)。不況下でも工夫と戦略次第で人材育成は前進可能であり、各社の創意工夫に今後も注目が集まっています。

不況時こそ、企業は「何を残すか」の選択が問われます。人材育成はコストではなく、企業が未来を切り拓くための最重要資産です。
 • 短期: 離職率・モチベーション低下の抑制
 • 中長期: 組織力・競争優位性の維持強化
この両面において、研修の価値は今こそ再確認されるべきです。

そしてRefocus(研修ニーズの絞り込み)、Redirect(研修手法の工夫)、Restructure(研修資源の再設計)の3つの観点から、不況期でも研修効果を最大化する施策と事例をまとめました。これらを組み合わせることで、短期的なコスト制約に対応しつつも人材育成の重要課題を先送りせずに済み、将来の競争力に繋がる人材投資を継続することができます。
不況時の研修の実施にこそ、その企業の競争優位性の本質があると言えるのではないでしょうか。

ヒューマンエナジーの「カスタマイズ研修」では、お客様が抱えている課題をお聞きし、目的や組織や人物像を理解して解決案を提示し、個別に研修を組み立てます。カスタマイズ研修には4つの特徴があります。「ビジョン反映型」「社会の変化に対応」「ワークショップ中心」「ゴールまで支援」の4つです。特に 「ゴールまで支援」 の観点から、研修後のフォローアップ施策まで一貫してサポートします。受講者が学んだことを 実務に活かし、確実に行動変容につなげるために、研修設計の段階からフォロー体制を組み込むことを重視しています。具体的には、研修後の事後課題、フォローアップ研修の設計を含めたフォロー施策を提案し、受講者が学びを継続できる環境を整えます。また、単なる知識の習得で終わらせず、「実践し、定着させる」ことを目的としたアクションプランを策定し、職場で活用できる仕組みを構築します。
さらに、研修効果を最大化するためには、受講者本人だけでなく、上司や人事、経営層の関与も欠かせません。そのため、組織全体で研修の成果を支える仕組みとして、上司との1on1の導入や、研修の目的を経営層と共有する取り組みもご提案しています。研修の「やりっぱなし」を防ぎ、ゴールまで伴走することで、確実な成果へとつなげます。
具体的な研修内容や実施タイミングはお客様のニーズに応じて柔軟に対応いたします。企業の個別の課題をお聞きし、最適な研修やソリューションをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

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お客さまの目指す組織・求める人材像を把握した上で、経営ビジョンに沿った研修を実施します。

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受講生同士のコミュニケーションを大切にしながら、互いの考えや気づきを共有することで相互理解を促します。

研修後も伴走し、目指す組織・求める人材像に向き合い続けます。


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し経営改善・組織改革から現場の業務効率化まで幅
広い目的にあわせた研修プログラムをご提供します。

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【コラム】研修を「やりっぱなし」にしない!学びを定着させるフォローの科学(後編)

研修後のフォロー

「研修を受けて終わり」ではなく、「学んだことを職場で活かし、行動を変えること」が本当のゴールです。前編では、研修後のフォローがいかに重要かを、「エビングハウスの忘却曲線」や「トランスファー・オブ・トレーニング理論」の観点から解説しました。
では、研修の効果を“定着”させ、職場での“行動変容”を促すためには、具体的にどのようなフォローが必要なのでしょうか?
後編では、「 フォローアップ研修 」「1on1ミーティング」「フォローの仕組み化」という3つの強力な施策を紹介します。これらの施策を適切に実施することで、研修後の“学びの失速”を防ぎ、現場での“実践力”を引き出すことが可能になります。

「受けただけで終わらせない!」「学びを行動に変える!」
この後編を通じて、研修効果を最大化し、組織の成長につなげる実践的なヒントをお届けします。ぜひ最後までご覧ください。

前編「研修をやりっぱなしにしない!学びを定着させるフォローの科学(前編)」

研修を受けただけで終わらせず、「学びを振り返る機会」を設けることで、研修効果を大きく高めることができます。ここでは、 フォローアップ研修 の重要性と、研修後の実践を促進する仕組みについて解説します。


実践結果を持ち寄る仕組みを作る
受講者に「研修で学んだことをどのように業務で活かしたか」を整理してもらい、成功事例だけでなく、うまくいかなかったケースも共有します。課題を明らかにし、解決策を探ることで、より実践的な学びにつなげることが可能です。

振り返りを可視化する
「どのように仕事を任せたか」を記録し、具体的な事例をもとに振り返ります。ディスカッションを通じて、成功要因や改善点を明確にし、実務での応用につなげます。

実践を「次のアクション」につなげる
受講者同士で解決策を議論し、業務で試せる具体策を持ち帰ります。 フォローアップ研修 後も学びを継続できるよう、職場で実践を促す仕組みを構築します。

新しい知識や視点を加える
フォローアップ研修 は、過去の学びを振り返るだけでなく、新しい知識や視点を加えることで、受講者の学習意欲を高めることができます。例えば、リーダー力向上研修では、研修本編で「リーダーとしての適切な仕事の任せ方」を学び、 フォローアップ研修 では「心理的安全性を高めるフィードバックの手法」を新たに追加しました。このように、新しい学びを少し加えることで、「研修後も学びが進化し続ける」 というメッセージを伝えることができます。

課題
A社では、リーダー職を対象に「リーダー力向上研修」を実施しました。この研修では、「適切に仕事を任せるスキル」 を学びましたが、以下のような状況が見られました。
・研修直後は、「部下に仕事を任せ、見守るようにした」という声が多かった
・しかし、半年後には 「うまくいった人」と「うまくいかなかった人」 の差が生まれていた

A社が取り組んだフォロー施策
・研修後6ヶ月後に フォローアップ研修 を実施
受講者が「研修で学んだことをどう実践したか?」を振り返る場を提供
成功事例だけでなく、失敗事例も共有し、解決策を探る

・事後課題を設計し、実践の振り返りを促す
研修後1ヶ月後に、「実際にどのような行動を取ったか?」 をレポートにまとめる
「部下やチームにどんな変化があったか?」を振り返る

成果
・「学びを実践し続ける意識」が向上
・「他の人の話を聞いて改善のヒントが得られた」 という声が増加
・「試行錯誤することで結果が変わると気づいた」 受講者が増えた

フォローアップ研修 だけでなく、研修直後からの「事後課題の設計」 も重要です。
事後課題を活用することで、「知識を持ち帰るだけで終わらない」仕組みを作ることができます。

事後課題の設計ポイント
・学びを明文化する
研修の最後に 「本日の気づき」 を記録し、振り返りやすくする

・実践を促す
「実際にどんな行動を取ったか?」 を1ヶ月後にレポートとしてまとめる

・行動変容の成果を確認する
「部下やチームにどんな変化があったか?」 を共有し、学びを深める

研修効果を高めるには、「 フォローアップ研修 」と「事後課題」を組み合わせ、「学び → 実践 → 振り返り → 新たな学び」 のサイクルを作ることが重要です。

1 on 1の実施


研修で学んだことを実践に移すためには、上司の関与が欠かせません。 研修後に1on1ミーティングを実施することで、受講者が学びを振り返り、実務での行動変容につなげることができます。
ここでは、1on1を効果的に機能させるための 「心理的安全性の確保」 と 「GROWモデルを活用した進め方」 について解説します。

1on1ミーティングが効果的に機能するかどうかは、「心理的安全性(Psychological Safety)」が確保されているかに大きく左右されます。

心理的安全性とは?
・「この場で発言しても否定されない」「失敗しても受け入れてもらえる」という安心感がある状態。
・ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱し、チームのパフォーマンスを向上させる重要な要素 として注目されている。

1on1で心理的安全性を高めるポイント
・「それはいい視点ですね」「なるほど、そう考えたんですね」と相手の話を受け入れる。
・「なぜできなかったのか?」ではなく「どうすればもっとよくなるか?」に焦点を当てる。
・ 1on1は「上司の指導」ではなく、「部下が学びを整理し、行動につなげる機会」であることを念頭におく。

 心理的安全性が確保されると?
・ 受講者が研修後の実践について「成功・失敗の両方」を率直に話せる。
・ うまくいかなかったことも共有しやすくなり、学びの深まりにつながる。
・ 「やらされている」ではなく、「自ら実践し、成長したい」という主体的な行動が生まれる。

心理的安全性のある1on1を実施することで、研修の学びが単なる知識ではなく、「実務で試し、改善しながら成長するもの」へと変わっていきます。

GROWモデルを活用した効果的な1on1の進め方
1on1ミーティングを効果的に進めるためのフレームワークとして、「GROWモデル」 があります。受講者が「研修での学びを、実務でどう活かすか?」を主体的に考えられたり、上司が指示するのではなく、「どうすればよいか?」を引き出す関わり方ができたり、研修後の行動変容を、「自分で決めた目標」として継続しやすくなるメリットがあります。

 GROWモデルとは?
目標(Goal) → 現状(Reality) → 選択肢(Options) → 意志(Will) の4ステップで構成されるコーチング手法です。「一方的な指導」ではなく、受講者が自ら考え、行動することを促すのに適しています。

GROWモデルを活用した1on1の流れ
 1. Goal(目標):研修の学びをどう実践したいか?
受講者自身が目標を言語化し、意識を明確にする

 2. Reality(現状):今の状況はどうか?
実践状況を振り返り、成功と課題を整理する

 3. Options(選択肢):他にどんな方法があるか?
上司が答えを教えるのではなく、受講者自身が解決策を考える場にする

4. Will(意志):次にどんな行動を取るか?
「話して終わり」ではなく、具体的なアクションにつなげる

研修の成果を一時的なものにせず、組織全体に定着させるためには、受講者個人の努力に頼るのではなく、「研修が活きる組織文化」 を築く必要があります。そのためには、上司・人事・経営層を巻き込んだ仕組み化が不可欠です。ここでは、フォロー施策を単発の取り組みで終わらせず、組織全体で学びを共有し、定着させる戦略について解説します。

研修で学んだことを受講者だけの知識にとどめるのではなく、組織全体の共通言語として浸透させることが、実務での定着につながります。そのための施策として、以下の方法が有効です。

・上司に研修テキストを事前に共有し、内容を把握してもらう
→研修後のコミュニケーションが円滑になり、学びの実践をサポートしやすくなる

・全社員が同じ研修を受け、同じテーマで議論できる環境をつくる
→組織内で学びを共通言語化することで、「研修の内容がすぐに忘れられてしまう」「現場に戻ると周囲の理解がなく実践しづらい」といった課題を防ぐことができます。

研修は「やること」が目的ではなく、「従業員の行動を変えること」がゴールです。
そのために、適切な研修を設計し、研修会社と連携しながらブラッシュアップしていくことが重要になります。

研修を「やっただけ」で終わらせないためには、評価制度と連携させる仕組みが重要です。例えば、評価制度に基づいた研修を設計し、研修で学んだ内容が業務で求められる行動と直結する形にします。

具体的な方法として、以下のような施策が考えられます。
・研修の学びを「行動目標」として設定し、上司との1on1で確認する
・研修内容を業務評価の基準に組み込み、実践度を評価する
・研修後の行動変容をデータで可視化し、評価や昇進の要素に取り入れる

このように、研修と評価を結びつけることで、「受講しただけで終わらず、業務の中で実践し続ける」という意識を醸成できます。

研修を組織文化に根付かせるためには、上司の他に人事、経営層の関与を強化し、それぞれの立場から学びの定着をサポートすることが不可欠です。

人事の役割:「研修のフォロー施策を制度化する」
人事部門は、研修を単発のイベントではなく、業務の中に組み込まれた仕組みとして機能させる役割を担います。
・研修後の実践報告を義務化し、フォローアップを制度化する
・研修と評価制度を連携させ、実践度を評価に反映する
研修を受講者の自主性に委ねるのではなく、人事が制度としてフォロー施策を整備することで、学びの定着率を向上させることができます。

経営層の役割:「研修が組織成長に直結することを示す」
経営層を巻き込むには、研修の意義を「個人の成長」ではなく、「組織の成長や業績向上につながる施策」 として位置づけることが重要です。
・研修の成果を数値化し、組織の成長との関連を示す
・研修が企業戦略の一環であることを明文化し、経営層の理解を得る
例えば、「研修を受けた社員のエンゲージメントスコアが向上した」「研修を実施した部署の業績が前年比で向上した」などのデータを示すことで、研修への投資価値を経営層に納得してもらいやすくなります。

研修は「受けて終わり」ではなく、「学んだことを職場で活かし、行動に移すこと」が本当のゴールです。しかし、現実には研修の学びが定着せず、効果が薄れてしまうことも少なくありません。

前編・後編を通じて、科学的な視点を交えながら、研修後フォローの重要性と具体的な施策をご紹介しました。特に後編では、「 フォローアップ研修 」「1on1ミーティング」「フォローの仕組み化」という3つの実践的な施策を取り上げ、学びを行動変容につなげる具体的な方法を解説しました。

これらの施策を組み合わせ、研修の学びを職場で活かし続ける仕組みを整えることが大切です。「学んで終わり」ではなく、「実践し、試行錯誤を重ねながら成長していく」——そんな研修文化を組織に根づかせることができれば、研修の効果は大きく向上します。

学びを定着させ、組織全体の成長へとつなげるために、今回の内容をぜひ参考にしてみてください。研修後のフォローを充実させることで、学びが生きた成果に変わるはずです。

前編はこちらからご覧いただけます!「研修をやりっぱなしにしない!学びを定着させるフォローの科学(前編)」

ヒューマンエナジーの「カスタマイズ研修」では、お客様が抱えている課題をお聞きし、目的や組織や人物像を理解して解決案を提示し、個別に研修を組み立てます。カスタマイズ研修には4つの特徴があります。「ビジョン反映型」「社会の変化に対応」「ワークショップ中心」「ゴールまで支援」の4つです。特に 「ゴールまで支援」 の観点から、研修後のフォローアップ施策まで一貫してサポートします。受講者が学んだことを 実務に活かし、確実に行動変容につなげるために、研修設計の段階からフォロー体制を組み込むことを重視しています。具体的には、研修後の事後課題、フォローアップ研修の設計を含めたフォロー施策を提案し、受講者が学びを継続できる環境を整えます。また、単なる知識の習得で終わらせず、「実践し、定着させる」ことを目的としたアクションプランを策定し、職場で活用できる仕組みを構築します。
さらに、研修効果を最大化するためには、受講者本人だけでなく、上司や人事、経営層の関与も欠かせません。そのため、組織全体で研修の成果を支える仕組みとして、上司との1on1の導入や、研修の目的を経営層と共有する取り組みもご提案しています。研修の「やりっぱなし」を防ぎ、ゴールまで伴走することで、確実な成果へとつなげます。
具体的な研修内容や実施タイミングはお客様のニーズに応じて柔軟に対応いたします。企業の個別の課題をお聞きし、最適な研修やソリューションをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

本ブログの著作権は執筆担当者名の表示の有無にかかわらず当社に帰属しております。

お客さまの目指す組織・求める人材像を把握した上で、経営ビジョンに沿った研修を実施します。

お客さまのお悩みを伺いながら、VUCA時代に激化する市場競争に対応できる人材と組織を開発します。

受講生同士のコミュニケーションを大切にしながら、互いの考えや気づきを共有することで相互理解を促します。

研修後も伴走し、目指す組織・求める人材像に向き合い続けます。


今回ご紹介した研修の振り返り・評価のサポートや、お客様の課題やご要望に応じて年単位・半年単位での組織変革・人材改革も支援いたします。
企業研修のことならヒューマンエナジーにお気軽にお問い合わせください。

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企業研修 研修講師 ヒューマンエナジー堀里恵

株式会社ヒューマンエナジー
人材育成トレーナー、キャリアコンサルタント
堀 里恵(ほり りえ)


【資格】国家資格キャリアコンサルタント、両立支援コーディネーター基礎研修修了

1,000人以上の学生指導経験。就職活動対策講座を通して自信を持って活躍できるキャリアパスを醸成します。エンゲージメント向上研修では目指す組織・求める人材像をヒアリング。お客様と共にプランを作成します。

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【コラム】研修を「やりっぱなし」にしない! 学びを定着させるフォローの科学(前編)

研修後のフォロー

「せっかく研修を実施したのに、現場で活かされていない…。」
「研修直後は意欲的だったのに、しばらくすると学びが薄れてしまう…。」
人材育成担当者として、このような悩みを抱えたことはありませんか?
実は、研修が成功するかのカギを握るのは、「研修の内容」そのものだけではなく、「 研修後のフォロー 」です。
どんなに質の高い研修を提供しても、その後に適切なフォローがなければ、学びは職場で活かされず、時間とともに忘れ去られてしまうのです。
研修は「受けたら終わり」ではなく、「フォローまでがワンセット」。
では、具体的にどのようなフォローを行えば、研修の学びを定着させ、実務で活かせる状態にできるのでしょうか?
本コラム前編では、「エビングハウスの忘却曲線」や「トランスファー・オブ・トレーニング理論」などの科学的な視点を交えながら、研修後フォローの重要性を解説します。また、すぐに実践できる具体的なフォロー施策もご紹介します。
コラム後編では「フォローアップ研修」「1on1ミーティング」「フォローの仕組み化」という3つの強力な施策を紹介します。これらの施策を適切に実施することで、研修後の“学びの失速”を防ぎ、現場での“実践力”を引き出すことが可能になります。

研修の効果は「受講後」に決まります!
明日から活かせる実践的なフォロー施策を、ぜひご参考ください。


せっかく時間とコストをかけて研修を実施したのに、受講者が内容をすぐに忘れてしまうと感じたことはありませんか?実は、これは脳の仕組みとしてごく自然なことなのです。
心理学者ヘルマン・エビングハウスの研究によると、人間は学習した内容の70%を、1日以内に忘れてしまうことが分かっています。
エビングハウスが発見した 「忘却曲線」 によると、以下のようなスピードで記憶が失われていきます。

時間経過と記憶の保持率


つまり、研修で「いい学びだった!」と感じても、1日後には半分以上が記憶から消えてしまうのです。

研修の学びを忘れさせないために、何をすべきか?
エビングハウスの研究は、「人は忘れる生き物である」という事実を示しました。しかし、逆に言えば 「適切なタイミングで復習すれば、記憶を定着させられる」 ということでもあります。

忘却を防ぐための施策
・研修後すぐに復習の機会を設ける(1on1やアクションプラン作成)
・1週間~1ヶ月後に事後課題を実施し、実践結果を振り返る
・学んだ内容を「教える・話す」機会を作る(ピアラーニングの活用)

学びを職場で実践し、繰り返し使うことで、知識が定着します。研修を「受けて終わり」にせず、フォロー施策を組み込むことが、学習効果を最大化するカギになります。

研修を実施したものの、「学んだことが職場で実践されていない」と感じることはありませんか? 実は、研修の内容が現場で活かされるかどうかは「研修の質」だけで決まるわけではないのです
ここで重要になるのが 「トランスファー・オブ・トレーニング(Training Transfer)」 という考え方です。
トランスファー・オブ・トレーニング(研修転移)とは、研修で学んだ知識やスキルが、実際の業務で活用されることを指します。この理論では、研修の効果が職場に定着するために、3つの要素が影響すると言われています。

(1) 研修の内容が「実務と結びついているか?」(学習内容の適用可能性)
研修の内容が受講者の業務に直結しているかどうかは、学習内容の定着度に大きく影響します。
・「今の仕事にどう役立つのか?」 が明確であるほど、学んだことを実践する意欲が高まる
・実際の業務シーンを想定した演習・ケーススタディがあると、応用しやすくなる
・汎用的な知識よりも、自社の業務に即した研修のほうが職場適用しやすい

(2)受講者に「研修で学んだことを実践しよう」という意欲があるか?(学習者の意欲)
研修を受けても、「まあ、いい話だったな」で終わってしまうケースがあります。学んだことを実践するかどうかは、受講者の意欲次第 です。
・研修前に「この研修で何を得たいか?」を考えさせる(目的意識を持たせる)
・研修後に「何を職場で実践するか?」を宣言させる(行動変容を促す)
・「実践しないといけない」というプレッシャーではなく、「試してみたい!」と思わせる工夫が大切

(3)研修後の職場環境が「学びの実践」を支援しているか?(環境要因)
研修で意欲的に学んでも、職場に戻った瞬間に「そんなことやってる暇ない」となると、学びは定着しません。学びを職場で活かすためには、以下の環境が整っていることが重要です。
・上司が「研修で何を学んだ?」と声をかける(学びを活かす雰囲気を作る)
・1on1ミーティングで実践状況を確認する(研修後のフォロー体制)
・「研修で学んだことを現場で試す場」がある(学びの実践機会)

この理論を踏まえると、研修を職場で活かすためには、次のような施策が有効です。
・研修内容を実務と直結させる(事例・ケーススタディを活用)
・受講者に学びの実践を意識させる(事後課題・アクションプラン作成)
・職場でのフォロー体制を強化する(1on1、上司の関与、フォローアップ研修)

つまり、 研修後のフォロー を仕組み化することが、学びを定着させる最も重要なポイントなのです。

参考:研修後こそがスタート!学びを現場に定着させるための方法


研修は 「受けて終わり」ではなく、「学びを職場で活かすこと」こそがゴールです。しかし、多くの企業では、研修直後の熱意が徐々に薄れ、学びが定着しないという課題を抱えています。
本コラムでは、「エビングハウスの忘却曲線」や「トランスファー・オブ・トレーニング理論」 などの科学的な視点から、研修後フォローの重要性を解説しました。これらの理論が示すように、学びを定着させるには、「個人の努力」に頼るのではなく、「組織全体で支援する仕組み」を整えることが不可欠です。では、具体的にどのようなフォロー施策を行えば、研修の学びを定着させ、実務で活かせる状態にできるのか?
後編では、「フォローアップ研修」「事後課題」「1on1ミーティング」など、明日から実践できる具体的なフォロー施策を詳しく紹介します。
せっかくの研修を「やりっぱなし」にしないために、まずは 研修後のフォロー を前提とした仕組みづくりに取り組み、後編でご紹介する具体的な施策をぜひご活用ください。

続きはこちら:「研修をやりっぱなしにしない! 学びを定着させるフォローの科学(後編)」

ヒューマンエナジーの「カスタマイズ研修」では、お客様が抱えている課題をお聞きし、目的や組織や人物像を理解して解決案を提示し、個別に研修を組み立てます。カスタマイズ研修には4つの特徴があります。「ビジョン反映型」「社会の変化に対応」「ワークショップ中心」「ゴールまで支援」の4つです。今回の内容では、「ゴールまで支援」 の観点から、研修後のフォローアップ施策まで一貫してサポートします。
受講生が「研修直後は意欲的だったのに、しばらくすると学びが薄れてしまう…」 という課題を抱える企業が少なくありません。
本コラムで紹介した 「エビングハウスの忘却曲線」 によると、学習した内容の 70%は1日以内に忘れられることが分かっています。また、「トランスファー・オブ・トレーニング理論」 では、研修の効果を最大限にするには 「実務との結びつき」「受講者の意欲」「職場のサポート」 が重要だとされています。つまり、研修が職場で活かされるかどうかは、個人の努力ではなく、企業のフォロー体制にかかっているのです。

ヒューマンエナジーでは、こうした理論を踏まえ、 研修後のフォロー まで含めた学びの定着支援を行っています。では、具体的にどのような施策が有効なのでしょうか?
次回の後編では、明日から実践できるフォロー施策を詳しくご紹介します!
続きはこちら:「研修をやりっぱなしにしない! 学びを定着させるフォローの科学(後編)」

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企業研修 研修講師 ヒューマンエナジー堀里恵

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【資格】国家資格キャリアコンサルタント、両立支援コーディネーター基礎研修修了

1,000人以上の学生指導経験。就職活動対策講座を通して自信を持って活躍できるキャリアパスを醸成します。エンゲージメント向上研修では目指す組織・求める人材像をヒアリング。お客様と共にプランを作成します。

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【コラム】企業 ガバナンス を機能させる唯一の方法——“リアルな危機感”を浸透させる教育とは?

企業 ガバナンス

ガバナンス

「従業員にルールを教えているのに、現場では守られないのはどうしてか?」
この疑問を持つ人材育成担当者は多いはずです。その答えはシンプルです。
「知っている」と「できる」は違うからです。ルールを学ぶだけでは、人は行動を変えません。どれだけ優れた研修でも、受け身のままでは「 ガバナンス を守る文化」は生まれません。
では、どうすれば ガバナンス は「机上の空論」ではなく「現場で機能する仕組み」になるのか?
その鍵を握るのが、人材育成担当者の役割です。
本稿では、
・ ガバナンス が機能しない本当の理由
・効果的なガバナンス研修のポイント
・研修会社との協働で実現できること

この3つの視点から、人材育成担当者が ガバナンス 浸透のために果たせる役割を整理し、研修を通じて現場にどう働きかけるかを考えます。 ガバナンス は、一部の部署や管理職だけで成り立つものではなく、全社的な取り組みが必要なテーマです。そのため、人材育成担当者としては、「何を伝え、どんな研修を実施すれば現場に響くのか?」を考え、研修会社と協力しながら、効果的な仕組みを作ることが重要になります。
私たち研修会社は、そのプロセスを全力でサポートします。
ぜひ、一緒に「実践的な ガバナンス 教育のあり方」を考えていきましょう。


企業 ガバナンス (コーポレート・ ガバナンス )とは、企業が健全に成長し続けるための仕組みです。
透明性のある経営、不正防止、リスク管理、コンプライアンス徹底 —— どれも、企業の持続的な発展には不可欠な要素です。しかし、ルールがあっても、現場で実践されなければ意味がありません。
例えば、大企業で不祥事が発生した際、その原因は「社内ルールがなかった」わけではなく、「ルールがあっても、それが実践されなかった」ことが原因であるケースがほとんどです。では、なぜガバナンスは実践されないのか?従業員にとって「自分ごと」になっていないためです。
「ルールだから守れ」と押し付けても、人は動きません。しかし、「この判断を誤ると、自分のキャリアも会社の未来も危うくなる」と気づけば、行動が変わります。だからこそ、「研修の内容」「研修のやり方」が重要なのです。


単なる知識のインプットではなく、「もし自分の会社だったら?」と本気で考えさせる研修が必要です。

ケーススタディを活用する
失敗事例:「なぜこの企業は不祥事を防げなかったのか?」
・成功事例:「どのような仕組みが機能し、危機を回避できたのか?」

実際の業務と結びつける
・「自分の部署で同じことが起きたら、どうなるか?」を考えさせる
・「このルールが機能しないと、自分のキャリアにどう影響するか?」を具体的に示す

ガバナンスが問われる場面は、突発的に訪れます。そのとき、考えている余裕はありません。だからこそ、事前に「体験」させておくことが重要です。

ロールプレイ研修の導入
・「部下からハラスメントの相談を受けたら、どう対応するか?」をシミュレーション
・「社内で軽微なルール違反を目撃したとき、見過ごすべきか?」という判断トレーニング

知識を得るだけでは意味がありません。「その場で適切な判断ができるか?」を鍛えることが、人材育成担当者のミッションです。

ガバナンス 研修を効果的なものにするためには、「とりあえず研修を実施する」ではなく、「自社にとって本当に必要な研修は何か?」を明確にすることが重要です。
そのためには、次の3つのステップで「必要な研修内容」を特定します。

  • ステップ1:現場の課題を可視化する
    まずは、「自社の ガバナンス に関する課題」を具体的に把握することから始めます。

現場の声を集める
・従業員や管理職に、「 ガバナンス 上の課題」をヒアリングする
・「 ガバナンス 違反が起こる可能性のある場面」を洗い出す

過去の事例を振り返る
・過去に起こった ガバナンス 違反やコンプライアンス違反のケースを分析
・「なぜ違反が起こったのか?」を深掘りし、組織の課題を特定する

組織のリスクポイントをチェックする
・「どの部署で、どんな問題が起こりやすいか?」を整理する。例えば、「営業部では接待のルールが曖昧」「開発部では情報管理の意識が低い」など
このステップでは、「何が問題なのか?」を明確にすることが目的です。

  • ステップ2:研修の目的を定める
    課題を特定したら、「この研修で何を実現したいのか?」を明確にします。例えば、以下のような視点で整理すると、研修の方向性がクリアになります。

従業員にどんな行動をとってほしいのか?
例:「 ガバナンス 違反を見かけたときに、見過ごさずに行動できるようになってほしい」
例:「リーダーが倫理的な意思決定を適切にできるようになってほしい」

具体的にどんなスキルや知識が必要か?
例:「部下がハラスメントの相談をしたときに、適切に対応するスキル」
例:「不正リスクを察知し、未然に防ぐスキル」

研修の効果をどう測定するか?
例:受講者の行動変容をチェックするための評価指標を考える。
(「研修後に、コンプライアンス違反の内部通報件数が増える」など)

このステップでは、「研修がゴールではなく、現場の行動変容がゴールであること」を明確にすることがポイントです。

  • ステップ3:研修の種類と手法を選ぶ
    目的が明確になったら、それを実現するために「どんな研修が最適か?」を選びます。

研修の種類を決める
・新入社員研修 → 「ガバナンスの基礎」を学ぶ
・管理職研修 → 「意思決定とガバナンスの関係」を深掘りする
・現場向け研修 → 「実際の業務で起こりうるケースをシミュレーション」する

効果的な研修手法を選ぶ
・ケーススタディ研修 → 実例を通じて、リスクを実感させる
・ロールプレイ研修 → 現場での対応を疑似体験し、行動できる状態にする
・シナリオ演習 → 「この場面で、あなたならどうする?」を考えさせる

このステップでは、「目的に合った研修手法を選び、受講者が受け身にならないように設計する」ことが重要です。

研修の方向性が見えたら、研修会社と連携しながら、さらに研修内容をブラッシュアップしていきます。研修会社の役割は「研修を提供すること」ではなく、「組織の ガバナンス を強化するためのパートナーになること」です。

研修会社に相談すべきポイント
・自社の課題に合わせてカスタマイズできるか?
・受講者の主体性を引き出すプログラムになっているか?
・研修後のフォローアップ施策があるか?

研修会社は、単なる「知識を伝える場」ではなく、「現場で実践できる研修を一緒に作るパートナー」としてサポートする存在です。
人材育成担当者は、「必要な研修を明確にし、研修会社と協働しながら、組織に根付く研修を設計する」ことが求められます。

ガバナンス 研修を成功させるためには、次の4つのステップ
ステップ1:現場の課題を可視化する
ステップ2:研修の目的を定める
ステップ3:研修の種類と手法を選ぶ
ステップ4:研修会社と協働し、研修をブラッシュアップする

研修は「やること」が目的ではなく、「従業員の行動を変えること」がゴールです。
そのために、適切な研修を設計し、研修会社と連携しながらブラッシュアップしていくことが重要になります。

ガバナンス を強化し、企業の持続的な成長を支えるためには、他社の成功事例と失敗事例の両方から学ぶことが欠かせません。成功した企業は、どのような施策を講じ、組織に ガバナンス を根付かせたのか。逆に、 ガバナンス が機能せず、不祥事や経営の混乱を招いた企業は、どのような課題を抱えていたのか。
ここでは、 ガバナンス 教育に成功した企業の実践例と、 ガバナンス の欠如がもたらした失敗例を紹介します。

(1)横河電機株式会社
横河電機は、指名諮問委員会を設置し、次期社長や役員の選考と育成を目的とした経営者育成・評価プログラムを策定・運用しています。このプログラムでは、求められる資質や人物像を明確にし、複数の候補者を選定、研修や挑戦的な職務経験を通じて育成・評価を行っています。これにより、ガバナンス体制の強化と経営の透明性向上を実現しています。

(2)アサヒグループホールディングス株式会社
アサヒグループホールディングスは、サステナビリティ戦略を経営の中心に据え、取締役会が経営陣をどのように監督しているかを明確に開示しています。具体的には、取締役会がサステナビリティ戦略をモニタリングするスキルの有無や、報告頻度、報告内容、報酬制度を通じた経営者の評価などを詳細に記載しています。これにより、投資家やステークホルダーに対して透明性の高い情報提供を行い、ガバナンスの実効性を高めています。

(3)武田薬品工業株式会社
武田薬品工業は、サステナビリティに関する考え方及び取組を有価証券報告書に詳細に記載し、非財務情報と財務情報の開示のタイミングを一致させることで、投資家やステークホルダーに対して一貫性のある情報提供を行っています。また、サステナビリティ関連のリスクと機会を識別するためのプロセスを開示し、SASBスタンダードを参照した記載を行うなど、ガバナンス体制の強化に努めています。

(4)清酒製造業におけるガバナンス強化事例
日本政策金融公庫の調査によると、清酒製造業の中小企業では、地域との密接な関係を活かし、地域からの信頼と監視をガバナンスの一環として取り入れています。例えば、地域住民との交流や地元イベントへの参加を通じて、地域社会からのフィードバックを経営に反映させることで、透明性の高い経営を実現しています。これにより、地域からの信頼を得て、持続的な成長を遂げています。

(5)某中小製造業のガバナンス強化事例
ある中小製造業では、経営者が自社のガバナンス体制の脆弱性を認識し、外部の専門家を社外取締役として迎え入れることで、経営の透明性と意思決定の客観性を高めました。さらに、従業員からの意見を積極的に取り入れる仕組みを構築し、内部統制の強化と組織全体の意識改革を推進しました。これにより、取引先や金融機関からの信頼性が向上し、事業の拡大と安定的な成長を実現しました。

【引用・詳細】
経済産業省 「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2024」https://www.meti.go.jp/press/2024/01/20250114003/20250114003.html?utm_source=chatgpt.com
金融庁 記述情報の開示の好事例集
https://www.fsa.go.jp/news/r6/singi/20250203/01.pdf?utm_source=chatgpt.com
同族中小企業のコーポレートガバナンスと事業承継─清酒製造業の事例─
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun2111_04.pdf
コーポレートガバナンスと中小企業―中小企業の生産性向上を促す「攻めのガバナンス」
https://shokosoken.or.jp/shokokinyuu/2017/12/201712_4.pdf?utm_source=chatgpt.com

(1)光学機器メーカーにおける損失隠蔽の事例
巨額の損失を隠蔽するために不適切な会計処理が行われていました。この問題は、内部告発者からの情報提供によって発覚し、経営陣が不正に関与していたことが明らかになりました。
問題点:
・経営陣による意図的な不正:損失を長期間にわたって隠蔽し、財務報告を操作していた。
・内部統制の機能不全:不正を防ぐための監視体制が不十分であり、長期間発覚しなかった。
・内部告発まで問題が表面化しなかった: ガバナンス の仕組みが適切に機能しておらず、従業員が声を上げづらい環境があった。
教訓:
・内部通報制度の整備と適切な運用が不可欠:従業員が安心して問題を報告できる環境を整えることが重要。
・経営陣の倫理観と説明責任の強化:トップマネジメントが率先して透明性を確保し、ガバナンスの重要性を社内に浸透させる。
・監査体制の強化:外部監査の役割を強化し、企業の財務状況を適切に監視する仕組みを作る。
この事例は、企業 ガバナンス の欠如が深刻な問題を引き起こし、企業の信頼を大きく損なうことを示しています。適切な ガバナンス の仕組みを構築し、継続的に見直すことが不可欠です。

(2)電機メーカーにおける不正会計の事例
数百億円に及ぶ利益の水増しが行われていたことが明らかになりました。経営陣は利益目標の達成を最優先し、不適切な会計処理を行っていました。しかし、外部監査や社内の報告体制が十分に機能しておらず、不正が長期間発覚しませんでした。
問題点:
・過度な利益目標の設定:現実的ではない業績目標が設定され、経営陣や現場に強いプレッシャーがかかっていた。
・監査体制の不備:外部監査人や取締役会によるチェック機能が十分に機能せず、不正を早期に発見できなかった。
教訓:
・現実的な目標設定:経営陣は、達成可能な目標を設定し、過度なプレッシャーが組織全体に悪影響を与えないよう配慮する必要がある。
・監査体制の強化:外部監査や内部監査の役割を強化し、企業の財務状況を客観的にチェックできる仕組みを構築することが重要。
この事例は、経営陣の判断が企業全体に大きな影響を与えること、そして透明性のある監査体制が不正の抑止に不可欠であることを示しています。適切な ガバナンス のもとで、健全な経営環境を維持することが求められます。

企業ガバナンスは、単なるルールの遵守ではなく、企業の持続的な成長を支え、組織の信頼を築くための基盤です。しかし、その仕組みを整えるだけでは、実際の業務の中で機能するとは限りません。
本記事を通じて見てきたように、 ガバナンス を組織に根付かせるためには、「学びを行動へと変える仕組み」をつくることが不可欠です。そのために、人材育成担当者は重要な役割を担います。
ガバナンスは、「やらされるもの」ではなく、「企業をより強くするための戦略」です。
その意識を組織全体で共有し、実践できるようにすることが、これからの企業の競争力を高める鍵となります。
人材育成の取り組みが、組織の未来を大きく変えていきます。
適切な教育と仕組みを整えることで、 ガバナンス は企業文化として根付き、より健全で強い組織へと成長していくことでしょう。

ヒューマンエナジーの「カスタマイズ研修」では、お客様が抱えている課題をお聞きし、目的や組織や人物像を理解して解決案を提示し、個別に研修を組み立てます。カスタマイズ研修には4つの特徴があります。「ビジョン反映型」「社会の変化に対応」「ワークショップ中心」「ゴールまで支援」の4つです。今回の内容では、特に「ワークショップ中心」のアプローチが、企業ガバナンスの教育において重要な役割を果たします。
ガバナンス教育において最も大切なのは、従業員が単にルールを学ぶのではなく、「自ら考え、適切に行動できる力を身につけること」 です。例えば、コンプライアンス研修で「不正行為は禁止」と伝えても、実際に不正の兆候を目にしたときに適切な行動を取れなければ、ガバナンスは機能しません。そのため、研修では「ワークショップ中心」の手法を取り入れ、参加者が主体的に考え、実践的な学びを得られる環境を整えています。具体的な研修内容や実施タイミングはお客様のニーズに応じて柔軟に対応いたします。企業の個別の課題をお聞きし、最適な研修やソリューションをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

お客さまの目指す組織・求める人材像を把握した上で、経営ビジョンに沿った研修を実施します。

お客さまのお悩みを伺いながら、VUCA時代に激化する市場競争に対応できる人材と組織を開発します。

受講生同士のコミュニケーションを大切にしながら、互いの考えや気づきを共有することで相互理解を促します。

研修後も伴走し、目指す組織・求める人材像に向き合い続けます。


今回ご紹介した研修の振り返り・評価のサポートや、お客様の課題やご要望に応じて年単位・半年単位での組織変革・人材改革も支援いたします。
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企業研修 研修講師 ヒューマンエナジー堀里恵

株式会社ヒューマンエナジー
人材育成トレーナー、キャリアコンサルタント
堀 里恵(ほり りえ)


【資格】国家資格キャリアコンサルタント、両立支援コーディネーター基礎研修修了

1,000人以上の学生指導経験。就職活動対策講座を通して自信を持って活躍できるキャリアパスを醸成します。エンゲージメント向上研修では目指す組織・求める人材像をヒアリング。お客様と共にプランを作成します。

本ブログの著作権は執筆担当者名の表示の有無にかかわらず当社に帰属しております。

【コラム】2024年に ご好評いただいた研修 を振り返る ― ヒューマンエナジーが見据える未来

ご好評いただいた研修

「人材育成は、未来を切り拓く力となる。」
2024年も、当社は多くの研修を実施させていただき、改めてこの言葉を実感しました。AIの急速な進化や働き方改革など、私たちを取り巻く環境は変化のスピードを加速させています。このような時代において、企業の成功を左右するのは「変化に適応し、自ら成長を続けられる人材」の存在です。
ヒューマンエナジーは、こうした未来志向のニーズに応え、「自ら考え、学び、行動する人が活躍できる社会」を目指してきました。私たちが提供する研修は、単なる知識の詰め込みでは終わりません。受講者が現場で実践し、結果を出し続けるための「伴走型サポート」が特長です。

2024年特に高く評価されたのは、以下の3つの研修です。

  1. AI時代のキャリア研修 ~未来を創るためのスキルと考え方~
  2. 管理者の人間力を育むリーダーシップ研修 ~バランス感覚と具体的スキル~
  3. 現場直結型の業務改善研修 ~その場で生まれる具体的な解決策~

これらの研修は、多くの企業で実施され、受講者の成長を通じて組織全体の変革をもたらしました。本稿では、それぞれの成功の秘訣を振り返り、2025年以降の未来に向けた研修の可能性について考えていきます。
「人材育成は、未来を切り拓く力となる。」その一端を、ぜひこのコラムで体感してください。

2024年、多くの企業で高評価をいただいた研修の特徴を以下にご紹介します。


AIの進化に伴い、変化に柔軟に対応し続けるスキルが求められる時代。自分自身の強みを活かしながら、未知の未来に備える研修が注目を集めました。


技術力と人間力のバランスを意識し、若手社員の育成やコミュニケーションの強化を目的としたプログラムが多くの管理者層から支持されました。


現場で直面している課題に即した業務改善アイデアを生み出す形式が、多くの企業で成果を挙げました。

キャリア形成

AI時代のキャリア研修では、受講者が「これからの学び」を自ら考え、行動に移すきっかけを提供しました。事例をご紹介します。

  • 「IKIGAIベン図」(得意なこと、必要とされること、情熱を持てることの交差点を考えるフレームワーク)を活用し、受講者が自分の強みや情熱、社会的な必要性を再確認しました。
  • 個別AIスキルの習熟よりも、将来の社会変化によって個人がどのような働き方・スキルを求められるのかを各自が考えるように設定し、その材料を提供しました。
  • 結果、AIを活用するための「指示プロンプトの習熟」や「課題発見力」など、時代に即したスキルの重要性が議論されました。

この研修は、「未来を切り拓く力」を自ら身につける大切さを伝え、多くの受講者から共感を得ました。

【セミナー動画】AIキャリア研修のご紹介  ~AI時代におけるキャリア像を考える~

技術力だけでなく、部下に寄り添い育てる「人間力」を養うことが重視、さらに若い世代の価値観や働き方を学ぶ機会も提供されました。事例をご紹介します。

部下との効果的なコミュニケーション手法を学び、受講者が現場で実践する際の具体的な指針を提供しました。

無意識の偏見を克服し、公平な職場づくりを支援するプログラムが大きな反響を呼びました。

【コラム】無意識の偏見を克服し、公平な職場を! アンコンシャス・バイアス 研修の効果とは

平均年齢25歳の経営者層が率いる企業の経営会議を題材に、24時間働く熱意を持つ若手メンバーが、ブランドや事業に対して深い愛着を持ち、活発に意見を交わす姿勢が紹介しました。受講者である管理職層は、こうした若い世代の働き方に触れ、自身のマネジメントスタイルを振り返り、「部下の成長を支援できているか」や「挑戦の機会を与えているか」といった問いを深く考える機会となりました。このように、異なる世代の価値観や働き方を理解することは、管理職層にとって新たな視点をもたらす大きな価値となりました。

「40:20:40の法則」に基づき、特に研修後の40%に重点を置いた実践サポート体制を構築しています。6ヶ月間にわたる変革プログラムとして設計され、「働きやすさ」と「働きがい」の両立を重視し、具体的な行動変容を促す仕組みを整備しました。

具体的な取り組み
(1)実践プログラム設計
・月1回の進捗確認や課題解決セッション
・行動目標の設定と振り返り

(2)現場での支援体制
・上司と部下の1on1ミーティング
・チーム会議でのダイアログ手法活用

(3)組織全体での取り組み
・リーダー同士の相互支援体制
・定期的な効果測定と経営層のフィードバック

成果と変化
・コミュニケーションの質向上:オープンな対話文化の醸成や心理的安全性の向上
・リーダーシップの進化:若手への裁量権付与や公正な評価の定着
・組織文化の進化:「パーパス」を軸とした行動の定着と健全な文化の醸成

研修を単発イベントに終わらせず、経営幹部の継続的なコミットメントのもとで企業全体の変革を推進。これにより、持続的な成長を実現しています。

業務改善研修では、受講者が自らの現場で直面する課題を洗い出し、その解決策を考える実践型プログラムが展開されました。事例をご紹介します。

この形式により、受講者は自分たちの業務に対する新たな視点を得ると同時に、課題解決への第一歩を踏み出す機会を得ました。研修内で得られた気づきやアイデアが現場での改善行動につながり、多くの受講者と企業から好評をいただいています。

会社全体の利益構造を改めて理解する研修を実施しました。この研修では、外部講師が財務状況や利益構造を具体的に説明し、「自分たちの仕事が会社全体にどのように貢献しているか」を再確認する場を提供。これにより、社員全体のモチベーション向上につながりました。多くの企業で全社員を一堂に集めることが難しい中、社員総会の1時間を有効活用し、短時間で効率的に重要なメッセージを伝えるというスタイルが特に好評でした。この手法は、忙しい現場を抱える企業にとっても導入しやすく、今後の研修展開においても有効なアプローチと考えられます。

これらの研修が高く評価された背景には、「伴走型教育」を基盤とした以下の3つのポイントがあります。

1.研修から実践への橋渡し
管理者研修では、受講者が研修内容を現場で実践できる仕組みを整備することが重要です。多くの企業で成功している管理者研修では、研修後の支援に重点を置き、学びを業務に反映させるための体制を構築しています。例えば、6ヶ月間にわたる変革プログラムとして設計し、研修後に定期的なフォローアップセッションを実施することで、受講者が学んだスキルや知識を現場の課題に適用できるようサポートしています。また、受講者同士が実践結果を共有する場を設け、課題解決のための対話を深める取り組みも行われています。
さらに、現場での実践を支援する体制として、上司と部下による定期的な1on1ミーティングや、研修で学んだダイアログ手法を用いたチーム会議の運営が有効です。これにより、受講者が実践した行動や成果を振り返り、次の目標を設定するプロセスを継続的に支えます。また、部門を越えたリーダー同士の相互支援体制を構築し、学びを広げる環境を整えることで、研修の成果が組織全体に波及するよう工夫されています。
こうした取り組みを通じて、多くの企業ではオープンな対話文化や心理的安全性の醸成、リーダーシップの進化といった具体的な成果が生まれています。たとえば、若手への裁量権付与や育成型マネジメントの実践、公正な評価の実施が現場で実現されることで、働きやすさと働きがいが両立する職場が生まれています。 研修を単発のイベントではなく、現場や組織全体を巻き込んだ長期的な変革プログラムとして位置づけることで、企業全体での変革を後押しし、持続的な成長を実現することができます。

2.実践と理論の融合
行動経済学やナッジ理論、サーバントリーダーシップに代表されるリーダーシップ理論など、学術的な知見を取り入れつつ、それを現場に適用できる形に落とし込みました。この「実践可能な学び」の提供が、受講者からの評価を高める一因となりました。特にアンコンシャス・バイアス研修では、無意識の偏見に気づき、具体的な行動改善を促す内容が、企業の多様性推進にも貢献しました。

3.受講者に主体性を持たせる設計
研修の構成自体に、受講者が自分の課題に向き合い、具体的な解決策を導き出す仕組みを取り入れました。例えば、業務改善研修では、受講者自身が現場の課題を洗い出し、その解決策を考える場を提供。これにより、受講者の主体的な学びと行動が促進され、企業全体の成果に直結しました。

ヒューマンエナジーは「学びが変革を生む」という信念のもと、2025年は、特に以下の取り組みを推進していきます。

1.行動変容を促す新たなプログラムの開発
行動経済学の応用やAI関連研修等、受講者が職場で新たな視点に基づいて具体的な行動改善を実現できる研修を強化します。

2.テクノロジーを活用した柔軟な学びの提供
AI技術を活用し、個別最適化された学びの場を提供。これにより、物理的制約を超えた柔軟な学びを可能にします。特に研修後フォローアップに活用し、効果を今まで以上に高めます。

3.未来志向の研修テーマの拡充
多様性や心理的安全性、AI時代におけるキャリア形成など、これからの時代に即したテーマを研修に取り入れ、個人と組織の持続的な成長を支援します。

ヒューマンエナジーは、企業や受講者とともに未来を見据え、「成長を楽しむ組織づくり」を目指して進化を続けていきます。

2024年、ヒューマンエナジーが提供した研修は、多くの企業で高評価を得ました。その理由は、研修後のフォローアップ、実践と理論の融合、受講者主体の学びを重視した「伴走型教育」の成果にあります。
特に、AI時代のキャリア研修、管理者の人間力を育むリーダーシップ研修、現場直結型の業務改善研修は、受講者の成長を促し、組織全体の変革を後押しする結果を生み出しました。
2025年も、AIや行動経済学を活用した新しい学びの提供、多様性や心理的安全性をテーマとした研修拡充など、さらに進化を続けます。企業と個人がともに成長し続ける未来を目指し、引き続き価値ある学びを提供していきます。

ヒューマンエナジーの「カスタマイズ研修」では、お客様が抱えている課題をお聞きし、目的や組織や人物像を理解して解決案を提示し、個別に研修を組み立てます。カスタマイズ研修には4つの特徴があります。「ビジョン反映型」「社会の変化に対応」「ワークショップ中心」「ゴールまで支援」の4つです。当社では、お客様のニーズに応じた柔軟な研修プログラムをご用意しています。企業の個別の課題を丁寧にお伺いし、それぞれに最適な研修やソリューションをご提案いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

お客さまの目指す組織・求める人材像を把握した上で、経営ビジョンに沿った研修を実施します。

お客さまのお悩みを伺いながら、VUCA時代に激化する市場競争に対応できる人材と組織を開発します。

受講生同士のコミュニケーションを大切にしながら、互いの考えや気づきを共有することで相互理解を促します。

研修後も伴走し、目指す組織・求める人材像に向き合い続けます。


今回ご紹介した研修の振り返り・評価のサポートや、お客様の課題やご要望に応じて年単位・半年単位での組織変革・人材改革も支援いたします。
企業研修のことならヒューマンエナジーにお気軽にお問い合わせください。

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