【セミナー動画】人材不足時代の管理職研修の見直しポイント 「みる・きく」技術 部下の本音を引き出す「 聞き方 」

人材不足時代の管理職研修の見直しポイント
「みる・きく」技術 部下の本音を引き出す「 聞き方 」

概要

  • タイトル |人材不足時代の管理職研修の見直しポイント
          「みる・きく」技術 部下の本音を引き出す「 聞き方 」
           
  • コンテンツ|
    1. なぜ「きく」が管理職に重要なのか
    2. 2種類の「 聞き方 」モードを使い分ける
      共感的理解 vs 論理的理解
    3. 共感的理解 心構えと具体的スキル
    4. その他の「きく」の実践ポイント
    5.研修事例のご紹介
    6.質疑応答

セミナー動画(約35分)

https://youtu.be/Pp2hwhGzosQ

内容・特徴・得られる学び

今回のテーマは、管理職に必要な3つの関わり方「みる・きく/理解する/伝える・任せる・育てる」の第一歩にあたる「みる・きく」です。

■ こんな課題はありませんか?
・1on1をしても、いつも表面的な話で終わってしまう
・部下が本音を話してくれていると感じられない
・「ちゃんと聞いている」のに、なぜか信頼関係が深まらない
・傾聴を学んだことはあるが、ビジネスの現場でどう使えばいいか分からない

これらはすべて、「 聞き方 」に原因があるかもしれません。


管理職に求められるコミュニケーションの核心は「きく(聴く)」ことですが、ただ話を聞けばよいわけではありません。

「共感的に聴くモード」と「論理的に整理するモード」——この2種類を場面に応じて使い分けられるかどうかで、部下との対話の質はまったく変わります。

本セミナーでは、専門家の知見をもとに体系化された「ディープリスニング(深く聴く技術)」の考え方を元に管理職向けに「 聞き方 」のポイントを凝縮してお伝えします。

このような方におすすめ

  • 管理職・チームリーダーとして部下との対話に課題を感じている方
  • 自社の管理職研修の内容・手法を見直したいと考えている人事・研修担当者
  • 部下のモチベーションや心理的安全性の向上に取り組んでいる方

講師プロフィール

経営改善や投資ファンド系のコンサルティング会社を経て、2013年6月に株式会社こころみを設立。「コミュニケーション」と「高齢者・医療・介護系マーケティング」の専門家として数々のセミナー出演や執筆活動の他、大学院との共同研究や介護ロボットのAIによる会話エンジンの開発支援などにも携わっている。2022年、事業承継により㈱ヒューマンエナジー代表取締役に就任、経験を活かし講師としても精力的に活動中。

認定NPO法人カタリバ 監事
医療AI推進機構株式会社 監査役
株式会社テレノイドケア 顧問
流通経済大学 非常勤講師
元 株式会社イノダコーヒ 取締役
元 ウイングアーク1st株式会社 監査役


社員研修 お客様の声 |新卒離職率「3割超」と言われる中、新卒離職率ゼロへ。「どんな人に育てたいか」から始まる研修設計

社員研修 お客様の声 

株式会社セカイズ
営業部人事課  津田 優歩様

インタビュアー
株式会社ヒューマンエナジー 研修コーディネーター 久野 未里 

会社名株式会社セカイズ
所在地愛知県岡崎市赤渋町田中36番1
代表者名代表取締役 江澤 邦浩
事業内容●リユース家電の買取・販売
●リユース・サプライ・システム事業
●新品家電・家具インテリアの法人向け販売
●家電回収・再生事業
●産業廃棄物処理事業
企業ページhttps://www.sekaiz.co.jp/

株式会社セカイズは法人のお客様を対象に、新品およびリユースの家電製品、家具、インテリアなどの商品を提供しています。モノを提供するだけでなく、生活空間や施設空間におけるアイテムの選定から供給、メンテナンス、リユース計画までをトータルでプランニングするコンサルティング業務を行う会社です。

事業規模の拡大に伴い、特に 新入社員研修 をはじめとする新人の教育体制について課題をお持ちで弊社へご相談をいただきました。今回は、営業部人事課の津田様に、研修導入の経緯から現在の成果、そして今後の展望についてお話を伺いました。

<目次>
1.人事課の新設が、 新入社員研修 を本質から変えた
2.採用するのは「原石」。だからこそ、研修で主体性を育てる
3.当事者意識が芽生え、新卒3年間の離職者がゼロになった

4.新入社員研修の成果を土台に、2年目・3年目の成長へとつなげていく

■ヒューマンエナジーの研修ご提供内容

  • 新入社員研修
  • 3年目研修

    ※その他のヒューマンエナジー研修メニュー 一覧はこちらからご確認ください

セカイズ様で 新入社員研修 を実施させていただいて3年目を迎えます。それ以前の 研修について、津田様はどのような課題をお持ちでしたか

以前は、本社でのマナー講義と社内マニュアルを使った役職者による講義、そして慣例として工場研修・店舗研修を実施するというスタイルでした。新入社員に研修の目的をほとんど伝えないまま進めていたのですが、それは社内に研修を設計する専門の人間がいなかったことも理由の一つです。

そのような状況の中、2~3年ほど前に私が所属する「営業部人事課」という新卒採用と教育を専門に扱う部署が新設されました。そこから「研修の目的をしっかり捉えて設計しよう、意味のある 新入社員研修 にしよう」という考えになり、ちょうどその頃にヒューマンエナジーさんとのご縁もいただいたことで、 新入社員研修 のご相談をさせていただくことになりました。

「意味のある研修」とは、具体的にどのようなことを指しているのでしょうか。

以前は、「みんなに何を学んでほしいからこの研修を実施するのか」という説明がほとんどないまま、「工場研修があるよ」「店舗研修があるよ」という形で進めていました。例えば工場研修であれば、私たちが法人営業をするためにどこに着目して見ていくのか、工場の方とコミュニケーションを取ることが配属後にどう役立つのか、といった意義があるはずです。それを伝えずに実施していたのが課題でした。

今は、入社直後に時間を取り「皆さんが受ける研修には意味がある」ということを、社長からも人事課からも必ず伝えています。漫然と時間を過ごす研修ではなく、毎日気づきを得ながら、自分が何を学んでいるのかを理解し、日々小さな目標でもいいので目標を立てて取り組んでほしいと考えています。

私自身が経験した以前の研修は、やや形式的で目的が見えにくい部分があり、「もっと新入社員の成長に直結する、価値のある時間にできるはずだ」という強い想いがありました。せっかく高い志を持って入社してくれた良い人材だからこそ、研修の段階でミスマッチが起きるようなことは絶対に避けたかったのです。変化の激しい今の時代だからこそ、単に慣例を踏襲するのではなく、新入社員が毎日ワクワクしながらステップアップできる環境を整えたいと考え、研修全体を本質から組み直しました。

弊社へご相談いただいた際、どのような点で任せてみようと感じていただけたのでしょうか。

私たちも手探り状態でしたので、専門知識を持った方から信頼できる意見をいただけることは非常にありがたかったです。また、決まったパッケージ研修ではなく、カスタマイズして作り込める研修だったことも大きな理由でした。

私たちがやりたかったのは、「どんな研修をするか」ではなく、「どんな人に育ってほしいか」「どんなマインドを持って仕事をしてほしいか」という部分でした。そうした漠然とした想いを汲み取り、カリキュラムを組み立てていただけると感じました。最初の打ち合わせの段階でその点を理解していただけたことが、決め手になったと思います。

セカイズ様では「どんな人に育ってほしいか」ということは言語化されていますか?

一言でいうと、『主体性を持って自分で考えて行動できる人』になってほしいということです。法人営業という仕事柄もありますし、そういう人材に育ってほしいと思っています。また私たちは、採用の段階で最初から完璧にこなせる人材だけを求めているわけではありません。どちらかというと伸びしろのある原石のような人材に強い魅力を感じて採用することが多いです。人間力の高い人材を採用して、その人たちの法人営業としての人間力をさらに伸ばしていきたいと考えています。

例えば第一印象の良さやコミュニケーション能力をさらに高めたり、素直さや吸収力を伸ばしていきたいと思っています。自分から動くこと、指示待ちにならないこと、自らチャンスを取りに行けること。そういった積極性を持った人材になってほしいと思っています。最初から備わっていれば理想ですが、後から身につけていくこともできると思っています。だからこそ、意味のある研修を通じてそういう人材に育ってほしいという想いがあります。

弊社は大手企業ではないからこそ、決められたレールの上で仕事をする会社ではありません。いろいろな刺激を受けて、好奇心旺盛な人材を採用していきたいと思っています。会社としても下から上へ刺激が生まれるような組織にしたいと考えており、主体性というのは会社としての軸になっていると思います。

新入社員研修 は今回で3回目になりますが、受講者の様子をご覧になって感じることはありますか。

考える力がすごく伸びていると思います。しかも、それを楽しみながら取り組んでいるように感じます。外部の方から言われることで素直に受け止められることも多く、「これは世の中の常識なんだ」「社会とはこういうものなんだ」ということを客観的な視点として受け取れているのではないかと思います。そのため、研修内容も素直に吸収していますし、思考力や考える力が身についてきていると感じます。

特に嬉しい変化として、研修受講後、自分が受けている教育や環境を『ビジネス視点』で客観的に捉えられる新入社員が増えました。研修で「企業が利益を生み出す意味」や「お金は組織を支える重要な経営資源であること」を学んだことで、研修を企画した私たちの意図を深く汲み取ってくれたり、外部研修という機会の価値を正しく理解したりすることが増えました。当たり前のように感じていた環境が、実は当たり前ではないと気づき、組織を動かすためのお金や経費の仕組みまでを自分ごととして捉える意識が育ってきたと感じています。その変化は日報にも表れており、高い当事者意識を感じる内容を書く新入社員が増えました。

意識や行動の変化など、研修を実施してよかったと感じる点は他にもありますか?

最初の変化としては、学生と社会人の境目を意識できるようになったことだと思います。入社直後は、外部からどう見られるかを意識できるようになる大切な時期です。外部研修を通じて、その意識が変わった新入社員は多かったと思います。挨拶一つ取っても誰が見ても気持ちの良い挨拶ができるようになりましたし、配属後も社会人としての基礎的なマナーをしっかり吸収して、特に問題なく振る舞えていたと思います。

また、数字としては、入社から3年目までの離職者はゼロです。3年目までの社員は合計で約18名いますが、一人も辞めていません。会社全体の離職率は以前約19%でしたが、新卒社員に限っては非常に高い定着率を維持できています。研修が定着率の向上に貢献していると感じています。

早期戦力化を目指すためには、人としての土台づくりが必要です。コミュニケーション能力や思考力、主体性といった土台形成の場として研修が機能していると感じています。マインドを高めるような講義や、自分自身の考え方を見つめ直す講義をしていただいたことが、新入社員に強く響いているのではないかと思っています。

組織として今後どのような成長を目指し、そのためにヒューマンエナジーに期待していることを教えてください。

会社はこれからも大きくしていきたいと考えています。そのために必要不可欠なのが新入社員です。会社を大きくするためには人を増やしていく必要があり、そのためには研修制度をしっかり整えていかなければ定着率は上がりません。まずは入社してくれた人材を大切に育て、会社の売上を支える営業メンバーとして成長してもらいたいと思っています。会社を成長させる上で、 新入社員研修 をはじめとする新人教育は最も重要な取り組みの一つだと感じています。

昨年度実施した3年目研修についても、各部署の責任者から「非常によく学べていて、過去の研修と比較しても有意義な研修だった」「来年もぜひヒューマンエナジーさんで実施したい」という評価をもらっています。

ヒューマンエナジーさんには、私たちに足りない知識や労力を補っていただいていると感じています。外部研修ならではの良さや、受講者の吸収力の高さも実感しています。 新入社員研修 については成果も見えていますので、今後も継続してお願いしたいと思っています。また今後は、定着率向上のためにフォローアップ研修や2年目研修などにも取り組んでいきたいと考えています。入社してくれた社員にさらに頑張ってほしいという思いから、そういった新しい取り組みについても進めていきたいと考えています。

本日は貴重なお時間をありがとうございました。


企業研修のことならヒューマンエナジーにお気軽にお問い合わせください

お客さまの目指す組織・求める人材像を把握した上で、経営ビジョンに沿った研修を実施します。お客様の課題やご要望に応じて年単位・半年単位での組織変革・人材改革も支援いたします。

株式会社ヒューマンエナジー
愛知県名古屋市西区名駅1丁目1番17号 名駅ダイヤメイテツビル11F

052-541-5650
お急ぎの方はお電話ください(平日9:00~18:00)

【コラム】部下の本音を引き出すには?-管理職に求められる関り方の技術「 きく 力」ー

部下の本音を引き出すには? -管理職に求められる技術「 きく 力」-

管理職に求められる関わり方について、前回は「伝える」技術を取り上げました。今回はその前段階、「 きく (聞く)」に焦点を当てます。特に、管理職が見落としがちなポイントに絞って「 きく 」で気を付けたいことをお伝えします。

問:あなたは部下の話を「きちんと聞けている」と思いますか?

「 きく 」、特に心情に寄り添って「聴く」ことには、単に情報を受け取る以上の価値があります。一般的に「 きく 」には「聞く」の漢字があてられますが、管理職にとって重要なのは「聴く」の意味です。いわゆる「傾聴」ととらえても問題ありません。

聴く(傾聴)には、相手との信頼関係を深める働きがあります。相手の話を途中で遮らず、否定せずに受け止めることで、「自分のことをわかろうとしてくれている」という安心感が生まれます。その安心感があるからこそ、相手は少しずつ本音を話せるようになります。傾聴は、ただ話を聞くことではなく、相手を大切に思う姿勢を伝え、信頼関係を育てていくための大切な関わり方の土台を担っているのです。

特に業務における「 き く」には、一般的な傾聴以上の難しさがあります。上司と部下という利害関係がある中では、自分の感情を切り離すことは簡単ではありません。「この程度は一人で解決してほしい」「自分がやれば一瞬なのに」——そうした思いが頭をよぎった経験がある方も多いのではないでしょうか。一方で部下の立場になれば、表面上のアクションとは別に、評価への不安・怒られたくない気持ち・よく見られたい思いなど、上司に対して常に何らかの壁を作っています。

したがって管理職は、ほめなくても怒らなくてもよいので、相手から「恐れられない」心理的安全を提供すること、これが「 きく 姿勢」の土台であり、職場の多様性に対応していく管理職には非常に重要なポイントになります。

「きき方」には、共感モードと論理モードの2つのモードがあります。管理職はこの2つを場面に応じて使い分けることが重要です。

業務の場では、指摘しなければならないこと・確認しなければならないことが必ず存在します。そのため、信頼構築のために「聞く」時間と、業務として言うべきこと・聞くべきことを扱う時間を意識的に切り分けることが、2つのモードをうまく機能させるポイントになります。

また、切り替えの際には「合図」を設けると効果的です。たとえば、「共感モード」のときに
• 「ここまでの話を一度整理してみてもいいですか」
• 「少し状況の理解を深めたいので、確認させてください」
といった一言を挟むことで、自然に論理モードへ移行できます。これは話し手に「いまモードが変わる」と知らせる役割を果たし、違和感や唐突感を防ぐことが可能となります。

逆に、論理的理解から共感に戻る場合は、整理された情報を受け止める話し手の気持ちを確認し、
• 「いまのお話について、どんなお気持ちですか?」
• 「整理してみて、あらためて感じることはありますか?」
といった問いかけが有効です。これによって、話し手は緊張をほぐし、自分の気持ちと向き合うことが可能になります。

さらに重要なのは、「聞き手自身」が簡単に結論を出そうとしないことです。論理的理解が課題解決への一本道であり、それが会社におけるゴールと誤解されがちですが、話し手との信頼関係を維持・強化することも管理職における重要なゴールです。結論づけを急がず、必要に応じて再び共感モードに戻る柔軟性が求められます。

本稿では、 きく 姿勢の基本としてまず重視すべき「共感モード(共感的理解)」について補足していきます。

傾聴、すなわち共感的理解で大切なのは、スキル以上に相手と向き合う心構えが重要です。

まず、相手に関心を持ち、尊重していることを態度や言葉で伝えること。次に、安易に「わかる」と決めつけず、「どのような気持ちなのだろう」と想像し続ける共感の姿勢。そして、反論や批判、すぐのアドバイスを控え、行動の奥にある気持ちを受け止める受容の姿勢が求められます。

※よくある落とし穴:「その気持ち、わかる」
善意からくる言葉ですが、相手は「自分の気持ちがそんなに簡単にわかるはずがない」と感じることが多いものです。自分の感情が一般化され、特別な体験が凡庸に扱われたように受け取られると逆効果になってしまいます。
→ 正しい姿勢は、「わかった」と言わないことです。
「そう感じたのですね」と受け止める。常に「まだ分からない」と考え、さらに深く知ろうとする姿勢が信頼を生むのです。

傾聴(共感的理解)には、相手が安心して話せるようにするための技術も必要です。相手の感情に寄り添うために「技術を使う」と表現すると、違和感を覚える方もいるかもしれません。しかし、狙いはあくまでも「相手に熱心に聞いていることを伝える」ことです。「正しい伝え方」を「正しい場面で使う」ための技術は、相手によい印象を与えるために必要な要素と言えます。

あいづちは単調にならないようにし、言葉や抑揚に変化をつけることで、関心を持って聴いていることが伝わります。また、相手の言葉を繰り返すことで、話の内容や感情を受け止めていることを示せます。要約は、話を整理し、相手自身が内容を再確認する助けになります。質問をするときは「なぜ?」で追及するのではなく、話し終えた後に、4W1Hを意識した「開かれた質問(オープンクエスチョン)」でたずねる意識が大切です。

部下の話を きく とき、耳で言葉を受け取るだけでは十分ではありません。表情、姿勢、視線、声のトーン、話すスピード、沈黙の長さなど、言葉以外にも多くの情報が表れています。たとえば「大丈夫です」と言っていても、表情がこわばっていたり、声に力がなかったりする場合、本当は不安や迷いを抱えている可能性があります。

つまり、「見る」ことは相手を観察して評価するためではなく、言葉になっていない気持ちに気づくための行為です。管理職が相手の様子に丁寧に目を向けることで、「この人は自分の状態まで気にかけてくれている」という安心感が生まれます。

ただし、表情や態度だけで決めつけることは避ける必要があります。「元気がなさそうだから悩んでいるに違いない」と判断するのではなく、「少し考えているように見えましたが、今どんな感じですか?」と確認することが大切です。見ることは、相手を決めつけるためではなく、より丁寧に きく ための入口なのです。

管理職が部下との面談で陥りやすいのが「沈黙を埋めようとする」ことです。

部下との面談では、沈黙が生まれると、管理職側が不安になり、つい話をつなごうとしてしまうことがあります。しかし、沈黙は必ずしも悪いものではありません。相手が言葉を選んでいたり、自分の気持ちを整理していたりする大切な時間でもあります。むしろ、その沈黙の先に本音が出てくることも少なくありません。

大切なのは、急かさずに待つ姿勢です。相手の表情や目の動きに注意を向けながら、考えている様子を見守ります。顔をそらしたり、手元を見たりすると、退屈している印象を与えてしまうため注意が必要です。どうしても会話が続かないときは、「今、どんな言葉が浮かんでいますか?」と、相手が話しやすくなる問いかけをするとよいでしょう。

管理職として陥りやすいのが、「俺ならこうした」「それは〇〇が原因だ」と評価・解釈してしまうことです。業務を実現していくための対話の主役は、あくまでも実働を担う部下でなければなりません。

この姿勢は、部下の特性や状況によって変える「型」の話ではありません。消極的な人、怒りやすい人、落ち込んでいる人——相手のタイプは様々ありますが、ここでのやり方はいつでも一つです。相手とは、理解力・メタ認知力・価値観が大きく異なることを前提に、それでも理解をしようと共感する姿勢こそが、何よりも重要になります。

部下との面談時は、2章で伝えたことを意識して「話を聞き、質問している最中」だけがすべてではありません。それを実現するには、1章で述べたように話す前に安心できる場をつくり、話した後にきちんと感謝と合意で締めくくること、この一連の流れで一貫した「きく姿勢」を示すことが大切です。



今回は「 きく (傾聴)」の重要な効果とその実現方法について紹介してきました。最初は自分自身の慣れも必要ですし、相手によっても反応は様々なため、スムーズにいくことばかりではないでしょう。

ここで紹介したコミュニケーション手法を意識的に繰返し実践し、それによる部下の反応がどう変化するかに気を配ることも「 きく 」行為の一つです。ぜひ何度も試行錯誤しながら、相手の変化を確認し、少しずつ自分なりの部下との向き合い方を深めていただければと思います。


※本コラムの内容に研修実例を交えて、2026年7月23日(木)に無料オンラインセミナーを実施します。ぜひ、お申込み・ご視聴ください。


神山 晃男(かみやま あきお)
株式会社ヒューマンエナジー 代表取締役
経営層むけの管理者育成研修、戦略立案などの他、
コミュニケーション研修が得意領域。

経営改善や投資ファンド系のコンサルティング会社を経て、2013年6月に株式会社こころみを設立。「コミュニケーション」と「高齢者・医療・介護系マーケティング」の専門家として数々のセミナー出演や執筆活動の他、大学院との共同研究や介護ロボットのAIによる会話エンジンの開発支援などにも携わっている。2022年、事業承継により㈱ヒューマンエナジー代表取締役に就任、経験を活かし講師としても精力的に活動中。

認定NPO法人カタリバ 監事
医療AI推進機構株式会社 監査役
株式会社テレノイドケア 顧問
流通経済大学 非常勤講師
元 株式会社イノダコーヒ 取締役
元 ウイングアーク1st株式会社 監査役

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【セミナー動画】人材不足時代の 管理職研修 の見直しポイント 価値観の違う人材へのアプローチ、どうすればよい?「伝える、任せる、育てる」

人材不足時代の 管理職研修 の見直しポイント 価値観の違う人材へのアプローチ、どうすればよい?「伝える、任せる、育てる」

概要

  • タイトル |人材不足時代の 管理職研修 の見直しポイント 
          価値観の違う人材へのアプローチ、どうすればよい?
          「伝える、任せる、育てる

           
  • コンテンツ|
    1.なぜ今、 管理職教育 を見直す必要があるのか
    2. 管理職に必要な3つの関り方のアップデート
       「伝える」、「任せる」、「育てる」
    3.組織としての 管理職研修 の見直しポイント
    4.研修事例紹介
    5.質疑応答

セミナー動画(約40分)

https://youtu.be/PFIAUps9tDI

内容・特徴・得られる学び

人材不足が続く中、多くの企業にとって「採用した人材をいかに早く戦力化し、定着させるか」は重要な課題になっています。

その一方で、現場では次のような声も増えています。
「若手社員がなかなか育たない」
「中途社員が期待通りに立ち上がらない」
「外国人材への指示がうまく伝わらない」
「 管理職 によって、部下育成や指導力に差がある」
「ハラスメントを恐れて、 管理職 が必要な指導に踏み込めない」
「昔ながらの教え方や任せ方が、今の職場に合わなくなっている」

これらは一見すると、若手・中途・外国人材それぞれの個別課題に見えます。

しかし実際には、 管理職 の日常的な関わり方、特に 「伝える」「任せる」「育てる」 という指導者側の基本行動と深く関係しています。

かつては、「見て覚えてほしい」「言わなくても察してほしい」「中途ならできて当然」「分からなければ自分から聞きに来るべき」といった考えでも、職場は回っていたかもしれません。

しかし、若手社員、中途社員、外国人材、派遣社員、パート社員など、多様な背景や価値観を持つ人材が働く今の職場では、同じやり方では通用しにくくなっています。

加えて、これは「説明が苦手な 管理職 」だけの問題ではありません。 管理職 によって、期待の伝え方、仕事の任せ方、フィードバックの仕方、部下との関わり方に大きな差がある状態では、育成の品質も現場ごとにばらついてしまいます。

つまり、 管理職 の指導力や育成力を個人の経験や勘に任せるのではなく、組織として共通の考え方や行動基準を持ち、マネジメントのレベルを引き上げていくことが必要です。

そのため、 管理職 には、伝え方・任せ方・育て方を今の職場に合わせて見直し、部下との関わり方をアップデートすることが求められます。多様な経験や価値観を持つ部下に成果を出してもらうためには、相手を尊重しながら、必要なことは明確に伝え、適切に任せ、成長につながるフィードバックを行う力が必要です。

本セミナーでは、アンコンシャスバイアス、心理的安全性、ハラスメント予防といった視点を踏まえながら、 管理職 の基本行動である 「伝える」「任せる」「育てる」 をどのようにアップデートすべきかを解説します。

また、個々の 管理職 のスキル向上だけでなく、組織として 管理職 教育 をどのように見直し、共通のマネジメント品質として高めていくべきかについても考えます。

管理職研修 の見直し、OJT強化、現場リーダー育成において、多様な人材を活かすマネジメントを検討されている企業様は、ぜひご参加ください。今後の育成計画のヒントになれば幸いです

このような方におすすめ

  • 若手社員の育成・定着に課題を感じている経営者・人事担当者
  • 中途社員の早期戦力化がうまく進んでいない企業の方
  • 外国人材への指示・コミュニケーションに課題を感じている方
  • 管理職 によって、部下育成や指導力に差があると感じている方
  • OJTが現場任せ・個人任せになっていると感じている方
  • ハラスメントを恐れて、 管理職 が部下指導に消極的になっていると感じる方
  • アンコンシャスバイアスや多様性理解を 管理職研修 に取り入れたい方  

講師プロフィール

経営改善や投資ファンド系のコンサルティング会社を経て、2013年6月に株式会社こころみを設立。「コミュニケーション」と「高齢者・医療・介護系マーケティング」の専門家として数々のセミナー出演や執筆活動の他、大学院との共同研究や介護ロボットのAIによる会話エンジンの開発支援などにも携わっている。2022年、事業承継により㈱ヒューマンエナジー代表取締役に就任、経験を活かし講師としても精力的に活動中。

認定NPO法人カタリバ 監事
医療AI推進機構株式会社 監査役
株式会社テレノイドケア 顧問
流通経済大学 非常勤講師
元 株式会社イノダコーヒ 取締役
元 ウイングアーク1st株式会社 監査役


【コラム】部下が上手く動けないのは、相手の理解力だけの問題? ―管理職に求められる「 伝える力 」の見直し―

「部下が上手く動けない」のは、相手の理解力だけの問題?
―管理職に求められる「 伝える力 」の見直し―

先日、製造業のお客様からこんな相談を受けました。
「外国人派遣スタッフが増えているのですが、指示がうまく伝わらないことが多くて。認識違いやミスが続いていて、現場から不満も出ているんです。」

よく聞いてみると、外国人スタッフ全員がうまくいっていないわけではありませんでした。指示を出す人によって、コミュニケーションがうまく取れる・取れないに差もあるようなのです。もちろん、日本語能力や文化の違いが影響する場面はあります。しかし問題の一端は、外国人スタッフ側だけではなく、指示を出す側の「伝え方」にもあるのではないか、というご相談でした。

この事例をきっかけに、今回は管理職に求められる「 伝える力 」について考えてみたいと思います。

今の職場には、さまざまな背景を持つ人材が混在しています。
・価値観や仕事観が異なるベテランと若手、Z世代の混在
・前職のやり方が染みついている中途採用者
・文化や言語背景の違う外国人材
・時間制約のある派遣・パート社員など

このような環境では、従来のような「言わなくてもわかる」「見て覚えてほしい」「普通はこうする」という伝え方が通用しにくくなっています。

また問題は、単純な理解力だけではありません。「わからないことは確認する」「相手の意図を考える」「求められている水準をすり合わせる」といった溝を埋めるための歩み寄り行動を、受け手がどこまで自発的に取ってくれるかにも大きな期待差があります。

相手に望むにも限界がある以上、多様な人材が働く職場では、「言えばわかる」「わからなければ聞いてくるはず」と期待するのではなく、こちら側から解釈の余地を減らす伝え方が求められます。

もうひとつ重要なのは、指導や注意の場面における伝え方です。管理職の言葉や態度の受け止められ方は、これまでとは変わってきています。

かつては、「厳しく指摘されるときには訳がある」「怒られる側にも原因がある」と受け止められていた関わり方でも、今日では相手に強い圧迫感を与える言動や、ハラスメントにつながる行為として問題視されることがあります。

もちろん、業務上必要な注意や改善指導は、管理職の大切な役割です。ミスの繰り返し、約束した行動が守られない、周囲に影響が出ているといった場面では、きちんと伝えなければなりません。

一方で、正当な注意であっても、感情をそのまま言葉や態度に出す、人格や姿勢を決めつける、人前で強く叱責する、威圧的な言い方をするといった関わり方は、相手を萎縮させ、ハラスメントと受け取られるリスクがあります。

管理・監督する立場である以上、管理職本人に「そんなつもりはなかった」としても、相手がどう受け取ったか、第三者から見て適切な関わりだったかが問われるのです。また相手が、相談窓口、外部機関、法的手段、SNSなどを通じて、職場で受けた指導や注意について外部に相談・発信しやすくなっている今、企業としても、管理職に適切な関わり方を教育していたかどうかが問われます。

このように、多様化の時代だからこそ、指導・注意の場面では、相手が受け止められる形で伝える力がますます重要になっています。企業としても、その伝え方を管理職任せにせず、教育すべきテーマとして位置づける必要があります。

さらに、人手不足が深刻化する今、管理職の関わり方は、採用した人材を早期に戦力化し、定着させるうえで、以前にも増して重要になっています。

同じ会社の中でも、「あの上司の下では人が育つが、別の上司の下では定着しない」「あの管理職の指示はわかりやすいが、別の管理職の指示ではミスが増える」「あの人の任せ方は部下を成長させるが、別の人の任せ方では部下が不安を抱えたままになる」といった差が生まれている職場は少なくありません。

人材に余裕があった時代であれば、こうした差は「管理職による違い」として見過ごされていたかもしれません。しかし、人材不足の時代には、採用した人材を早期に育て、持てる力を発揮してもらい、職場に定着してもらうこと自体が重要な経営課題です。そのため、管理職ごとの関わり方の差は、単なる個人差ではなく、育成スピード、現場での活躍度、定着のしやすさに直結します。

だからこそ、管理職の関わり方を、単なるコミュニケーションスキルとして扱うのではなく、人材を育て、活かし、定着させるための「戦略的な関わり方」として捉える必要があります。

管理職一人ひとりが、組織として求める関わり方を理解し、共通の考え方と行動基準に基づいて部下に向き合える状態をつくること。それが、人材不足時代において、育成・戦力化・定着を安定的に進めるための重要な土台になります。

ここまで見てきたように、管理職の「 伝える力 」を見直す必要性は、単なる話し方の問題にとどまりません。管理職の関わり方そのものが、組織の信頼や人材戦略に大きく影響するため、 管理職研修 の主な要素として体系的に教育していくべきテーマの一つになってきています。

1)管理職研修で、意識と行動の両面を学ぶ

管理職の関わり方を見直すには、まず1章のような時代背景や職場環境の変化を理解することが欠かせません。それらを踏まえ、 管理職研修 でまず伝えるべき重要なポイントは、「自分を基準にした関わり方」から、「相手がどう受け取り、どう行動できるかを起点にした関わり方」への意識転換です。

そして、意識を変えるだけでは、明日からの行動は変えられません。何を、どのように変えればよいのか、具体的な行動についても基本を学ぶことで変化を促進できます。

管理職に求められる関わりは、昨今では「対話力」とも言いますが、具体的に展開していくと「伝え方」以外にも様々な要素があります。相手の状況を把握するには「聞く」「見る」ことも重要です。また成長を促すには「任せ、育てる」ことも欠かせません。これらの要素を全般的に指導する必要がありますが、今回は様々な働きかけの土台となる「伝える力」に着目していきます。

なお、管理職研修では、このような知識やスキルを一方的に提供するだけでなく、同じような立場の管理職同士が学びながら、現場での悩みや工夫を語り合う場としての役割もあります。人事としても現場の生の声を拾い上げ、孤立しがちな管理職を支える機会にもなるため、ワークショップ型の管理職研修としての重要性はますます高まっています。

2)「伝える力」における3つの視点

伝える力とは、単に説明が上手いかどうかだけではありません。現場の「伝えたつもり」と「伝わった」の間には、いくつかの溝が挙げられます。ここでは大きく3つに分類してみました。

まず、 管理職側からの伝える内容そのもののわかりやすさを見直す「言語化」についてです。こちら側が意図として含んでいる「つもり」、すなわち暗黙知や前提を相手に伝わりやすく言葉にするには、どう具現化するとよいのか。詳しくは次の章で解説していきます。

次に、図・写真・実物・手順書など言語以外の手段を活用するほか、声のトーンや表情、伝える場所やタイミングなど言葉以外の伝わり方を整える「非言語」についてです。これはハラスメント対策としても特に重要なポイントとなります。また、最も個人が自分だけでは変えにくい要素になります。そのため、例えばワークショップ型の学びを通じて、客観的な自分への気づきを促したり、理想像を練習してみるなどの実践的な学びの場は非常に有効です。

そして、最後は相手の言葉で理解を確かめる「確認」行為が有効です。現場ではよく「わかりましたか?」「はい」という形式的な確認行為がなされがちですが、本当に相手が理解しているとは限りません。目上の人に質問や意見がしにくい文化圏や価値観もあります。また、少し時間のかかる仕事の場合は、あらかじめ状況報告のタイミングや内容を決めておくことも有効です。このような「伝える」の後に、相手の理解状況をいかに確認していくかが、「伝える」を確かなものへと押し上げていきます。

これら3つを同時に意識するというよりも、今問題が起きやすい相手とはどこが大きく障害になっているかを見極め、ひとつずつ改善を試みる、というのが現実的だと考えます。

では次の章で、特に行動に移しやすい「言語化」の型について解説していきます。こうした型があることで、管理職が自分の経験や感覚だけに頼らず、具体的に行動を変えやすくなります。

伝え方は目的によって必要な順序や内容が変わります。そこで、今回は「部下がうまく動けない」状況に着目して掘り下げてみましょう。相手の立場になって考えてみると、以下のような3つのつまずきが考えられます。

・何をすればよいかが曖昧
・なぜそれをするのか納得できていない
・何を直せばよいかがわからない

今回はこの3つのつまずきに対応した「伝える型」を解説していきます。

これは、一般的な業務依頼や役割付与の場面で使う伝え方です。目的は、部下が迷いなく動ける状態をつくることです。

よくある問題は、管理職が「やること」だけを伝えてしまうことです。例えば、「この資料、まとめておいて」だけでは、部下は何のための資料なのか、どのレベルまでまとめればよいのか、いつまでに必要なのか、困ったときに誰に相談すればよいのかがわかりません。

そこで重要なのが、「目的 → 期待成果 → 期限 → 支援」の順番です。例えば、次のように伝えます。

例:「来週の顧客打ち合わせで現状の課題を共有したいので、過去3か月の不良件数を資料にまとめてください。A4一枚で、件数の推移と主な原因がわかる形にしてほしいです。期限は金曜15時までです。途中で迷ったら、木曜午前までに一度相談してください。」

このように伝えると、部下は「何をすればよいか」だけでなく、「何のために」「どの水準で」「いつまでに」「どこで相談できるか」がわかり迷わないので、より行動に移しやすくなります。

これは、複雑な課題や意見調整が必要な場面で使う伝え方です。目的は、相手に納得して判断・行動してもらうことです。

管理職の伝え方でよくあるのは、「来月からこのやり方に変えます」「今回はA案でいきます」と、結論だけを伝えてしまうことです。結論を明確に伝えることは大切ですが、背景や判断基準が共有されないままでは、部下は納得しづらくなります。

そこで重要なのが、「背景 → 論点 → 選択肢 → 評価軸 → 合意」の順番で伝えることです。

例:「最近、納期遅れが月に3件発生しています。原因は、出荷前検査のタイミングが担当者によってばらついていることです。今回の論点は、検査のタイミングをどこで統一するかです。選択肢は3つあります。今回は、ミスを減らすこと、現場負荷を増やしすぎないこと、納期に影響を出さないことを評価軸にします。この基準で見ると、作業完了直後に一次確認し、出荷前に最終確認する方法がよいと考えています。」

合意形成で重要なのは、必ずしも全員一致ではありません。大切なのは、判断の背景、評価軸、最終的にどう進めるかが共有されていることです。

これは、部下の成長や改善を促す場面で使う伝え方です。目的は、気づきと行動変容を促すことです。

フィードバックでよくある失敗は、「やる気がないよね」「責任感が足りない」「何回言ったらわかるの」「君はいつも雑だよね」と、人格や性格に踏み込んでしまうことです。このような伝え方は、相手を防御的にさせ、ハラスメントと受け取られるリスクも高めます。

フィードバックで大切なのは、自分の感情をぶつけることや相手の人格否定ではなく、事象や行動に焦点を当てて意見を伝えることです。そのためには「状況 → 行動 → 影響 → 今後の期待」の順番で伝えます。

例:「昨日の朝礼で、Aさんが報告している途中に説明を始めた場面がありました。その結果、Aさんが最後まで話せず、他のメンバーも発言しづらそうに見えました。次回からは、相手の報告を最後まで聞いてから、自分の意見を伝えるようにしてください。」

大切なのは、感情的な強さではなく、具体性です。どの場面で、どの行動が、周囲にどんな影響を与えたのか、そして次にどうしてほしいのかこれを具体的・客観的に伝えることが、行動変容につながります。

冒頭の外国人材とのコミュニケーション課題は、決して特殊な問題ではなく、多様化する職場で多くの管理職が直面している「 伝える力 」の問題だと言えます。

しかも、このような「関わり方」については、管理職個人の資質に任せるのではなく、組織共通の考え方や型として指導していくことが、これからの管理職育成には欠かせません。

その管理職研修では次のようなポイントを押さえて指導していくことが重要です。
・多様化と人材流動が激しい、これからの職場環境を理解し前提とすること
・「自分を基準にした関わり方」から「相手がどう受け取り、どう行動できるかを起点にした関わり方」へ意識転換をすること
・伝える力は「言語化」「非言語」「確認」の3観点から見直すこと
・「言語化」については、場面別の「型」として現場で実践しやすいモデルを示すこと

今回の言語化の型では、部下がうまく動けない時の3つのつまずきを解説しました。何をすればよいかが曖昧な場面では「期待明確化型」、なぜそれをするのか納得できていない場面では「合意形成型」、何をどう直せばよいかがわからない場面では「フィードバック型」を基本として意識して実践してみましょう。

これからの人材不足の時代にむけて、多様な人材を受け入れ、早期戦力化し、定着させていくためには、管理職の「 伝える力 」をアップデートすることが重要な第一歩になるのではないでしょうか。


※本コラムの内容に研修実例を交えて、2026年6月25日(木)に無料オンラインセミナーを実施します。ぜひ、お申込み・ご視聴ください。


神山 晃男(かみやま あきお)
株式会社ヒューマンエナジー 代表取締役
経営層むけの管理者育成研修、戦略立案などの他、
コミュニケーション研修が得意領域。

経営改善や投資ファンド系のコンサルティング会社を経て、2013年6月に株式会社こころみを設立。「コミュニケーション」と「高齢者・医療・介護系マーケティング」の専門家として数々のセミナー出演や執筆活動の他、大学院との共同研究や介護ロボットのAIによる会話エンジンの開発支援などにも携わっている。2022年、事業承継により㈱ヒューマンエナジー代表取締役に就任、経験を活かし講師としても精力的に活動中。

認定NPO法人カタリバ 監事
医療AI推進機構株式会社 監査役
株式会社テレノイドケア 顧問
流通経済大学 非常勤講師
元 株式会社イノダコーヒ 取締役
元 ウイングアーク1st株式会社 監査役

本ブログの著作権は執筆担当者名の表示の有無にかかわらず当社に帰属しております。

【無料セミナーご案内】人材不足時代の 管理職研修 の見直しポイント ~価値観の違う人材へのアプローチ、どうすればよい?~「伝える、任せる、育てる」

無料セミナー 概要

  • タイトル| 人材不足時代の 管理職研修 の見直しポイント 
          価値観の違う人材へのアプローチ、どうすればよい?
          「伝える、任せる、育てる」
  • 開催日時| 2026年6月25日(木) 15:00 ~ 15:40(14:45~入室可能)
  • 参加費 | 無料
  • 視聴方法| Zoomオンライン配信
  • 申込方法| 下記セミナー詳細またはお申込みボタンから参加予約をお願いいたします

ご予約は、セミナー詳細画面の下部に表示されるボタン「チケットを申し込む」から必要事項を入力ください。送られてきたメールから、当日の「イベント参加」が可能です。

内容・特徴・得られる学び

人材不足が続く中、多くの企業にとって「採用した人材をいかに早く戦力化し、定着させるか」は重要な課題になっています。

その一方で、現場では次のような声も増えています。
「若手社員がなかなか育たない」
「中途社員が期待通りに立ち上がらない」
「外国人材への指示がうまく伝わらない」
「 管理職 によって、部下育成や指導力に差がある」
「ハラスメントを恐れて、 管理職 が必要な指導に踏み込めない」
「昔ながらの教え方や任せ方が、今の職場に合わなくなっている」

これらは一見すると、若手・中途・外国人材それぞれの個別課題に見えます。

しかし実際には、 管理職 の日常的な関わり方、特に 「伝える」「任せる」「育てる」 という指導者側の基本行動と深く関係しています。

かつては、「見て覚えてほしい」「言わなくても察してほしい」「中途ならできて当然」「分からなければ自分から聞きに来るべき」といった考えでも、職場は回っていたかもしれません。

しかし、若手社員、中途社員、外国人材、派遣社員、パート社員など、多様な背景や価値観を持つ人材が働く今の職場では、同じやり方では通用しにくくなっています。

加えて、これは「説明が苦手な 管理職 」だけの問題ではありません。 管理職 によって、期待の伝え方、仕事の任せ方、フィードバックの仕方、部下との関わり方に大きな差がある状態では、育成の品質も現場ごとにばらついてしまいます。

つまり、 管理職 の指導力や育成力を個人の経験や勘に任せるのではなく、組織として共通の考え方や行動基準を持ち、マネジメントのレベルを引き上げていくことが必要です。

そのため、 管理職 には、伝え方・任せ方・育て方を今の職場に合わせて見直し、部下との関わり方をアップデートすることが求められます。多様な経験や価値観を持つ部下に成果を出してもらうためには、相手を尊重しながら、必要なことは明確に伝え、適切に任せ、成長につながるフィードバックを行う力が必要です。

本セミナーでは、アンコンシャスバイアス、心理的安全性、ハラスメント予防といった視点を踏まえながら、 管理職 の基本行動である 「伝える」「任せる」「育てる」 をどのようにアップデートすべきかを解説します。

また、個々の 管理職 のスキル向上だけでなく、組織として 管理職 教育 をどのように見直し、共通のマネジメント品質として高めていくべきかについても考えます。

管理職研修 の見直し、OJT強化、現場リーダー育成において、多様な人材を活かすマネジメントを検討されている企業様は、ぜひご参加ください。今後の育成計画のヒントになれば幸いです。

【レジュメ】
1.なぜ今、管理職研修を見直す必要があるのか
2.今どき 管理職 に必要な3つのアップデート
  「伝える」、「任せる」、「育てる」
3.組織としての管理職研修 見直しポイント
4.研修事例紹介
5.質疑応答

このような方におすすめ

  • 若手社員の育成・定着に課題を感じている経営者・人事担当者
  • 中途社員の早期戦力化がうまく進んでいない企業の方
  • 外国人材への指示・コミュニケーションに課題を感じている方
  • 管理職 によって、部下育成や指導力に差があると感じている方
  • OJTが現場任せ・個人任せになっていると感じている方
  • ハラスメントを恐れて、 管理職 が部下指導に消極的になっていると感じる方
  • アンコンシャスバイアスや多様性理解を 管理職研修に取り入れたい方   

講師プロフィール

経営改善や投資ファンド系のコンサルティング会社を経て、2013年6月に株式会社こころみを設立。「コミュニケーション」と「高齢者・医療・介護系マーケティング」の専門家として数々のセミナー出演や執筆活動の他、大学院との共同研究や介護ロボットのAIによる会話エンジンの開発支援などにも携わっている。2022年、事業承継により㈱ヒューマンエナジー代表取締役に就任、経験を活かし講師としても精力的に活動中。

認定NPO法人カタリバ 監事
医療AI推進機構株式会社 監査役
株式会社テレノイドケア 顧問
流通経済大学 非常勤講師
元 株式会社イノダコーヒ 取締役
元 ウイングアーク1st株式会社 監査役

無料セミナー お申込み


【セミナー動画】 AI業務活用 |生成AIを”個人の便利”で終わらせない若手マネジメント力強化セミナー

生成AIを “個人の便利” で終わらせない ~若手の AI業務活用 を促すマネジメント力強化とナレッジ

概要

  • タイトル |生成AIを “個人の便利” で終わらせない
     ~若手の AI業務活用 を促すマネジメント力強化とナレッジ共有~
           
  • コンテンツ|
    1. 日本のAI導入の現状と課題
    2. AI導入は進んでも、なぜ AI業務活用 は進まないのか
    3.  AI業務活用 を引き上げるには何が必要か
    4. 解決策:2つのアプローチで AI業務活用 力を高める
    5. AI業務活用 を組織に根付かせるために

    6.質疑応答

セミナー動画| AI業務活用 のヒントを公開(約37分)

今回の無料セミナーでは、「生成AIを個人の便利で終わらせない」というテーマのもと、若手の AI業務活用 を促すマネジメント力強化について解説しました。

また、単なるツールの使い方だけでなく、業務フローの中でAIをどう定着させるか
という視点も取り上げています。そのため、すでにAIを使い始めている方にも、
新たな気づきがある内容になっています。

さらに、チーム全体でナレッジを共有していく方法にも触れているので、
セミナー当日ご参加いただけなかった方も、この動画を通じて AI業務活用 の
考え方を掴んでいただければと思います。

生成AIを “個人の便利” で終わらせない
~若手の AI業務活用 を促すマネジメント力強化とナレッジ

内容・特徴・得られる学び

日本においても、多くの企業でAI研修が始まりつつあります。
しかし、個人的にツール操作を覚えるだけでは、 AI業務活用 までの使いこなしにはなかなか至りません。

「社員にAIを使ってほしいが、実務としては定着していない」
「AI研修をしても、個人的なツールの使い方で終わってしまう」
「若手に判断基準を教えたいが、ベテランのノウハウが言語化されていない」
今回はそんな課題をお持ちの企業様に向けた、無料セミナーです。

AIの業務活用 を促進するには、
まずAIに何を任せるかを決め、指示し、出力を見極め、
修正するための判断力とマネジメント力が必要です。

さらに、現場で求められる「判断のものさし」は、
ベテラン社員の頭の中に暗黙知として蓄積されており、
若手にうまく継承できていないという課題もあります。

こうした企業のリアルな課題を踏まえ、本セミナーでは、
 ・「 AIの業務活用 ができる社員」をどう育てるか、そして
 ・ベテランの知見を どう研修や AI業務活用 に接続していくか、を 
具体的な設計プランとともにご紹介します。

AI活用を一過性のブームで終わらせず、
「実務で使える力」と「組織に残る知見」に変えていくために―
ぜひ、この機会にご参加ください。

このような方におすすめ

  • 若手社員向けのAI研修を検討している人事・研修担当者
  • AIを現場に定着させたい経営者・管理職
  • 若手育成とナレッジ継承を同時に進めたい方
  • ベテランのノウハウを属人化させず、組織資産にしたい方
  • AI を“便利ツール”で終わらせず、実務成果につなげたい方

講師プロフィール

経営改善や投資ファンド系のコンサルティング会社を経て、2013年6月に株式会社こころみを設立。「コミュニケーション」と「高齢者・医療・介護系マーケティング」の専門家として数々のセミナー出演や執筆活動の他、大学院との共同研究や介護ロボットのAIによる会話エンジンの開発支援などにも携わっている。2022年、事業承継により㈱ヒューマンエナジー代表取締役に就任、経験を活かし講師としても精力的に活動中。

認定NPO法人カタリバ 監事
医療AI推進機構株式会社 監査役
株式会社テレノイドケア 顧問
流通経済大学 非常勤講師
元 株式会社イノダコーヒ 取締役
元 ウイングアーク1st株式会社 監査役


【コラム】若手はAIを使えるのに、なぜ仕事の成果につながらないのか ― 生成 AIの業務活用 に必要な「任せ方・見極め方・判断基準」―

若手はAIを使えるのに、なぜ仕事の成果につながらないのか
― 生成 AIの業務活用 に必要な「任せ方・見極め方・判断基準」 ―

2026年4月、多くの企業で新入社員を迎えました。新入社員研修も終わり、これから現場配属という会社も多いのではないでしょうか。昨今では学生時代から生成AIに触れてきた世代が社会人になり、企業側の受け入れ準備も加速しています。

しかし、現場からは少し違う声が聞こえてきます。
「使い方は知っているのに、業務で活かせない」「AIの回答をそのまま提出してくる」――。

AIの利用経験は確かに広がったものの、それが業務成果に結びつかないというギャップが、新たな課題として浮かび上がっています。前々回のコラム「AIは導入するだけでは根づかない」では、組織全体でのAI活用が「設計不足」によって停滞する構造を整理しました。今回はその論点を、特に若手育成にフォーカスして掘り下げます。

日本経済新聞2026年4月2日の記事で、主要企業各社が一斉に新入社員向けに生成AI活用研修を始めたことが報じられました。AIを相手に顧客対応を練習するなど学習効果を高めるのにAIを活用する他、プロンプト作成や誤回答リスクへの理解など、業務でのAI活用を見据えた実践的な研修に取り組む企業も増えています。

その背景には、新入社員のAIリテラシーが急速に上がっているという現実があります。記事中で引用された産業能率大学総合研究所の調査では、2025年度の新入社員のうち約8割が生成AIの活用経験を持っており、前年度の約5割から大幅に増えたと報じています。

企業はこれを大きな可能性と捉えているのです。若手はAIに抵抗感を持っていないので、業務改善や生産性向上の起点になり得る、組織の成長を加速させてほしいと、どの企業も期待をもって新人育成にAI研修を実施している様子がTOPメッセージなどからもうかがえます。

一方で、2026年4月27日東洋経済オンラインの記事では、昨年の新人エンジニアの配属先企業から、AI活用を歓迎する声ではなく、怒りや悲鳴に近い声が上がっていると報じています。「AIに何でも聞いてコピペしている」、「内容を理解しておらず、出力結果の品質チェックができていない」、「一見ちゃんとして見えるので、チェック漏れが起き、かえって工数がかかる」など、AIによって「見せかけの有能さ」を身につけた新人が、現場で新たなリスクとなっているというのです。

ここでは「使われない」のではなく、むしろ使われ始めたときの“別のリスク”が顕在化しています。しかし、だからといって若者がAIを使うこと自体を否定するのは、この技術革新の時代においては本末転倒です。適切な使い方の基準がないまま活用が先行することを問題視する必要があります。そのため経済産業省・総務省では、「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」を策定しています。

既にAI開発事業者や提供者にはこのガイドが浸透しつつあり、教育や開発プロセスの多くにも組み込まれるようになってきていますが、AI利用者自身への指導も重要なため、最新版のガイドラインではAI利用者向けのチェックリストやワークシートも公開されています。

これらを活用して、「機密情報を入力しない、回答を鵜呑みにしない、著作権・個人情報・セキュリティに配慮する、人が最終判断を行う」といった運用を利用者自身にも理解してもらい、安心安全に組織や社会で使うための倫理観、リスク管理に伴う考え方を操作とセットで指導することが必要不可欠になっています。

ところで、冒頭で紹介した2026年4月27日東洋経済オンライン記事では、もう一つ注目すべきデータが示されています。コンサルティング大手PwCが日本を含む48の国・地域で実施した調査によると、業務で生成AIを「全く使用しない」と回答した割合は、研修生・新入社員で6〜7割と最も高く、管理職や経営幹部の4割以下を上回っていました。つまり、「若手はAI利用に慣れてはいるが、業務で生かす習慣は定着していない」というのです。

なぜAIに慣れている世代が、仕事ではAIを使いこなせないのでしょうか。もちろん、企業では環境が異なり、私的利用のように自由には使えない事情はあります。しかし、これは2)の内容とも関連するある種の「使い方」指導、リテラシー教育としてカバーされる範疇です。もし、それが十分にできたとしても、 AIの業務活用 が促進されるとは考えにくいのです。

一度、立ち止まって考えてみましょう。AIを業務で使うという行為は、本質的に何をする指すのでしょうか。

私たちは、 AIの業務活用 をこのように整理してみました。―「処理能力は高いが、業界文脈を知らず、ときどきもっともらしい誤りも出す部下に業務を委譲し、管理すること」―。

このような捉え方をすると、AI活用が単なるツール操作ではないことが見えてきます。指示の出し方、成果物の見極め方、リスクの判断、最終的な責任の所在、これらはすべてマネジメントの領域です。もちろん、組織がいきなり高度な業務判断を若手に丸投げする、という意味ではありません。「業務でAIを使わせる」こと自体が、早い段階から一段上の判断力、いわばディレクターや品質管理者のような役割を求めていることを指しています。

このようなマネジメント領域のスキルは、新人が持っていないものばかりです。それがいきなり若手にも求められるようになった――これがAI時代の構造的な変化です。本人の努力だけでカバーできる範囲を超えているのです。

このような技術の背景にある「役割の変化」が、違和感や混乱を生じさせています。私たちは、ここに生成 AIの業務活用 を推進するための本当の難しさがあると考え、2つの構造的な壁として整理しました。

壁① :マネジメント力を学ぶ機会の不足

2章でも述べた通り、AIを業務で使いこなす要件を分解すると、その大半が、実はマネジメントスキルそのものであることに気づかされます。

しかし、現状は若手がこうしたマネジメント力を学ぶ機会はほとんどありません。一般的に若手は、シンプルに言えば「まず先輩から指示を受け、作業を正確に進める作業者」として育成されます。例えば新人研修の内容は、社会人ルールやビジネスマナー、基礎的なスキルが大半を占めています。判断力やマネジメント力は、若い頃ではなくリーダや管理職になる頃に、一部研修で学習したり、「時間をかけて現場で先輩から学ぶもの」というのが多くの企業の現状ではないでしょうか。

まずは、AIを業務で使いこなすには技術スキルだけではなく、マネジメントスキルも重要であるという認識自体を広め、若手教育計画の中身を見直す必要性を促していく必要があります。

壁② :ベテランが持つ判断基準「ものさし」が共有されていない

仮に若人にマネジメント力を教えようとしても、もう一つの壁にぶつかります。判断基準そのものが、組織の中にきちんと存在していないという問題です。

AIの出力を「これは良い/これは使えない」と評価するには、その業界・その会社・その業務における専用の「ものさし」が必要になります。そしてこのものさしは、ベテラン社員の中にこそ存在しています。長年の経験から、何を重視し、どこを疑い、どう仕上げれば顧客に通用するかを、彼らは知っています。

ところが、その判断基準の多くは次のような状態にあります。

「マニュアルを整備しよう」という掛け声は上がったとしても、言語化が難しいからこそ上手く進まず、使えないレベルで終わってしまったり、放置され、形になっていない企業様も多いのではないでしょうか。

そのため、教えようとしても、教える側に「正解の例」を体系的に示す手段がない。これが、若手のAIの業務活用が進みにくいもう一つの理由だと考えます。

では、この2つの壁にどう向き合えばよいのでしょうか。私たちは、それぞれの壁に対応する2つのアプローチを組み合わせて提供する必要があると考えています。

解決策①:マネジメント力の向上

壁①に対しては、若手にAIを使いこなすためのマネジメント力向上研修が必要です。私たちはこれを、ワークショップ型のプログラムとして設計しています。中核となるのは、次の4つのコア能力と、これらすべての土台となるマインドセットです。

マインドセットの「最終責任は自分が持つ」――。これは、AIが部下である以上、品質の最終責任は自分にある、という当事者意識です。コピペで済ませる人と、AIをディレクションして成果を出す人を分けるのは、突き詰めればこの一点です。

解決策②:暗黙知の構造化

壁②に対しては、ベテランの頭の中にある判断基準などのノウハウを、何らかの形で引き出し、データ化・構造化することが必要です。これは研修プログラムではなく、組織の知識資産を整備し、資産化する取り組みとなります。

上記の例は、ヒューマンエナジーのグループ会社である株式会社こころみが提供するAIサービス事例です。株式会社こころみは、長年、高齢者向けの傾聴インタビュー事業を運営する中で、人の語りから知見を引き出すメソッドを蓄積してきました。これを企業向けに応用したのが「Interview-to-Agent」です。

ベテラン社員に対して、インタビューを構造的に行い、判断基準や行動哲学などを段階的に言語化していきます。引き出された知見は、行動哲学・行動特性・汎用スキル・個別スキルなど階層別に整理されます。このノウハウの塊のデータが、まさにAI時代の組織の貴重な「資産」なのです。このデータを回答源にすることで、例えば「いつでも若手が相談できる【ベテランノウハウAI】」などをつくることができ、組織全体のAIを絡めた業務支援に活かすことができるようになります。

解決策①と②を組み合わせることは、企業としての取組意義が非常に高い

解決策①の研修で「マネジメントの基礎理論・一般論」を身につけることにより、業務の段取りや推進自体はよりスムーズになりますが、自社特有の業界文脈や顧客対応の機微を踏まえるには解決策②が重要なポイントです。②によって、若者が自力でテランのノウハウを業務に反映することができるため、会社が求める業務水準に効率的・効果的に到達できる可能性が高まります。

また、ベースとなる「判断基準ライブラリ」や「提供方法」などは、使われながら学習を重ねていくので、時間が経つほど洗練されていきます。現実を踏まえながら使っていくことが重要で、使うほどに資産価値、利用価値も高まっていきます。

そしてこれらの取組みは、「若手の早期立ち上がり支援、ノウハウ継承・資産化、AIの業務活用促進」という3つの企業課題に同時にアプローチしていることにもなります。さらに、ノウハウの蓄積と利用には、若手とベテランを一緒に巻込めるプロジェクトとしても活動意義が高く、企業としての本質的な取り組み意義がここに存在します。

今回は若手のスキル着目して論じてきましたが、日本企業がAIで創出効果を高めていくには、今後どんな取り組みが必要なのでしょうか。全体像を整理してみました。

① AI利活用におけるリテラシー ── 全社員がAIを安心安全に「使える」「活用できる」状態にする。役割に応じた領域・深さで学習を設計する必要があります。

② AI活用時の判断力(マネジメント力・判断基準の言語化) ── 3章で整理した通り、AIという部下を使いこなすには「仕事を切り出し、任せ、見極め、修正する力」が必要です。組織固有の実践的な判断基準は、今後いかに言語化して共有財産にし、AIに絡めて活用していけるかが企業の生き残りを左右していくと考えられます。

③ AI活用促進への改革意識(停滞への危機感・変革意欲) ── 「AIに脅かされる」意識から「AIで自分たちが変わるチャンスへ」と幹部や組織のマインドセットを転換します。

このいずれか1つが欠けても、 AIの業務活用 は失速します。多くの企業が「ツール先行で利用率が伸びない」、「デジタル得意層だけで進む」、「経営・管理職・現場で意識がズレる」という落とし穴に陥るのは、これらのどこかが整っていないのです。

本コラムでお伝えしてきたポイントを整理します。
若手のAI利活用度が急速に高まる一方で、AIの業務活用 度は若手が最も低い
• AIを業務で使いこなすとは、「優秀だが業界文脈を知らない部下をマネジメントする」ようなもの

若手の AI業務活用 が進まない構造的理由は2つ、
 ①マネジメント力を学ぶ機会の不足②ベテランの持つ判断基準が言語化されていない
解決策は、「①マネジメント力を育てる研修」、「②暗黙知の構造化」の組み合わせが効果的
AIの業務活用 推進のポイントは、「リテラシー×判断力×変革意識」

若手にAIを教えるというテーマは、見方を変えれば、組織のマネジメント力と知識資産を同時に整える絶好の機会でもあります。若手教育・ナレッジ継承・AI活用の促進・定着――この3つを別々の課題として追うのではなく、ひとつの取り組みとして束ねていく必要があります。

「AI研修を入れたが、現場で使われていない」「ベテランの退職が迫っているのに知識継承が進まない」―こうしたお悩みをお持ちの人事・研修担当者の皆さまに、本コラムの考え方が一つの参考となれば幸いです。


※本コラムの内容に実例を交えて、2026年5月21日(木)に無料オンラインセミナーを実施します。ぜひ、お申込み・ご視聴ください。


神山 晃男(かみやま あきお)
株式会社ヒューマンエナジー 代表取締役
経営層むけの管理者育成研修、戦略立案などの他、
コミュニケーション研修が得意領域。

経営改善や投資ファンド系のコンサルティング会社を経て、2013年6月に株式会社こころみを設立。「コミュニケーション」と「高齢者・医療・介護系マーケティング」の専門家として数々のセミナー出演や執筆活動の他、大学院との共同研究や介護ロボットのAIによる会話エンジンの開発支援などにも携わっている。2022年、事業承継により㈱ヒューマンエナジー代表取締役に就任、経験を活かし講師としても精力的に活動中。

認定NPO法人カタリバ 監事
医療AI推進機構株式会社 監査役
株式会社テレノイドケア 顧問
流通経済大学 非常勤講師
元 株式会社イノダコーヒ 取締役
元 ウイングアーク1st株式会社 監査役

本ブログの著作権は執筆担当者名の表示の有無にかかわらず当社に帰属しております。

【無料セミナーご案内】生成AIを “個人の便利” で終わらせない ― 若手の AI業務活用 を促す マネジメント力強化とナレッジ共有―

無料セミナー 概要

  • タイトル| 生成AIを “個人の便利” で終わらせない
          ― 若手の AI業務活用 を促す マネジメント力強化とナレッジ共有―
  • 開催日時| 2026年5月21 日(木) 15:00 ~ 15:40(14:45~入室可能)
  • 参加費 | 無料
  • 視聴方法| Zoomオンライン配信
  • 申込方法| 下記セミナー詳細またはお申込みボタンから参加予約をお願いいたします

ご予約は、セミナー詳細画面の下部に表示されるボタン「チケットを申し込む」から必要事項を入力ください。送られてきたメールから、当日の「イベント参加」が可能です。

内容・特徴・得られる学び

日本においても、多くの企業でAI研修が始まりつつあります。
しかし、個人的にツール操作を覚えるだけでは、 AI業務活用 までの使いこなしにはなかなか至りません。

「社員にAIを使ってほしいが、実務としては定着していない」
「AI研修をしても、個人的なツールの使い方で終わってしまう」
「若手に判断基準を教えたいが、ベテランのノウハウが言語化されていない」
今回はそんな課題をお持ちの企業様に向けた、無料セミナーです。

生成AIを実務で活用するには、
まずAIに何を任せるかを決め、指示し、出力を見極め、
修正するための判断力とマネジメント力が必要です。

さらに、現場で求められる「判断のものさし」は、
ベテラン社員の頭の中に暗黙知として蓄積されており、
若手にうまく継承できていないという課題もあります。

本セミナーでは、こうした企業のリアルな課題を踏まえ、
 ・「 AIの業務活用 ができる社員」をどう育てるか、そして
 ・ベテランの知見を どう研修や AI業務活用 に接続していくか、を 
具体的な設計プランとともにご紹介します。

AI活用を一過性のブームで終わらせず、
「実務で使える力」と「組織に残る知見」に変えていくために―
ぜひ、この機会にご参加ください。

【レジュメ】
1.日本のAI導入の現状
2.AI導入は進んでもなぜ AI業務活用 が進まないのか
3.AIの個人利用を組織活用へ引き上げるには何が必要か
4.解決策:2つのアプローチで AIの業務活用 力を高める
5.AI活用を組織に根付かせるために

6.質疑応答

このような方におすすめ

  •  若手社員向けのAI研修を検討している人事・研修担当者
  •  AIを現場に定着させたい経営者・管理職
  •  若手育成とナレッジ継承を同時に進めたい方
  •  ベテランのノウハウを属人化させず、組織資産にしたい方
  •  AI活用を“便利ツール”で終わらせず、実務成果につなげたい方

講師プロフィール

経営改善や投資ファンド系のコンサルティング会社を経て、2013年6月に株式会社こころみを設立。「コミュニケーション」と「高齢者・医療・介護系マーケティング」の専門家として数々のセミナー出演や執筆活動の他、大学院との共同研究や介護ロボットのAIによる会話エンジンの開発支援などにも携わっている。2022年、事業承継により㈱ヒューマンエナジー代表取締役に就任、経験を活かし講師としても精力的に活動中。

認定NPO法人カタリバ 監事
医療AI推進機構株式会社 監査役
株式会社テレノイドケア 顧問
流通経済大学 非常勤講師
元 株式会社イノダコーヒ 取締役
元 ウイングアーク1st株式会社 監査役

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【お知らせ】Bizcrew EXPO 2026 名古屋 春「ビジネスイノベーション Japan 」人材育成ブースに出展します

株式会社ヒューマンエナジーは、4月に名古屋で開催されるBizcrew EXPO 2026 名古屋 春「ビジネスイノベーション Japan 」の「人材育成EXPOブース」に出展いたします

なお、会場ではBizcrew EXPO 2026 名古屋 春「ビジネスイノベーション Japan 」の他に、DX総合EXPOAI WORLDの2つのイベントも同時開催しております。AI・自動化などの最新サービスも多数出展されておりますので、ぜひこの機会をご利用ください。

本展示会は、業務効率化・DX推進・働き方改革など、企業の成長を支える最新ソリューションが一堂に会する専門展示会です。ご多忙の折とは存じますが、ぜひこの機会に弊社ブースへお立ち寄りいただき、直接ご相談・ご意見を賜れますと幸いです。

著名人や有識者などを含む、特別公演がございます。
株式会社ヒューマンエナジーは、4/15(水)13:00~に登壇いたします

スムーズな入場のために、事前ユーザ登録をお勧めします。
また、登録すると出展各社の製品資料のDLや動画を見ることができます。弊社資料にアクセスいただいた方にはプロモーションコード【xxxx】を送らせていただきます。

プロモーションコード登録後、日時予約の上で弊社ブースにご来場いただくと、後日Amazon GIFT1,500円分がプレゼントされます。(企業ページの最下段で日時をご予約下さい)

Bizcrew EXPO 2026 名古屋 春「ビジネスイノベーション Japan 」

BIJ 2026 春 名古屋初開催 招待状